負けても顧客は逃げない、さすが世界一のヘッジファンド!
以前(3月に)ご紹介した世界一のヘッジファンドマネージャーであるブリッジウォーター・アソシエイツの続編です。
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世界一という意味は預かり資産が世界一という意味ですが、ちなみに世界2位はジェイムス・サイモンという幾何学者が率いるルネッサンス・テクノロジーズです。
運用資産は84億ドル(約9兆円)で第3位はAQRキャピタル・マネージメントというヘッジファンドです。
たくさんの博士号取得者の集団で運用資産は77億ドル(8兆2,400億円)です。
いずれも2018年ベースの運用資産です。
そしてレイ・ダリオが創設した世界一のブリッジウォーター・アソシエイツは2018年現在でも預かり運用資産は断トツの1,230億ドル(13兆1,600億円)です。
さて、前回次のようにレポートしていました。
そのまま引用しておきます。
「今回の新型コロナウイルスによる株価の下げはヘッジファンドにとっても厳しいマーケットになっているようです。特に驚いたのは、世界最大のヘッジファンド会社であるブリッジウォーター・アソシエイツが、新型コロナウイルスの影響で大きな打撃を被ったことです。
3月18日のウォールストリート・ジャーナルによると、ブリッジウォーターのファンドの一つであるAll Weather Fund(全天候型ファンド)は、今年のパフォーマンスは先週月曜日までで14%ダウンとか。また同社の基幹マクロファンドであるPure Alphaは21%減少となったようです。
ヘッジファンドとしてはこの打撃は極めて大きいです。取返しがつかないレベルかもしれません。
顧客との契約がどうなっているのか判りませんが、通常は(たとえば)10~20%ダウンすれば顧客に資金を返還するというような条項があるのが通常です。
たとえそのレベルまで到達していなかったとしても引き出しを言ってくる顧客は相当数いると思われます。
今後この辺のニュースが流れてくるかもしれません。」
ところが、実際はまったくの逆でした!筆者の分析は甘かったようです。
6月16日のブルームバーグによると、次のようにあります。
Ray Dalioによって設立されたヘッジファンドの巨人であるBridgewater Associatesは、3月と4月に、主力の取引戦略での大きな損失を受けて、運用資産が15%減少しました。
米国証券取引所のウェブサイトに掲載された5月29日の書類によると、資産は2月末の1630億ドルから4月末には1380億ドルに減少しました。
ほぼすべての減少は、クライアントの撤退ではなく、パフォーマンスに関連する損失を反映している。
つまり、償還で減ったのではなく負けたので減ったということと推察します。
まずびっくりしたのは2019年にブリッジウォーターは1,630億ドル(17兆4,400億円、32.5%増)にも増えていました。
2018年にルネッサンスなどを抑えて130億ドル(約1兆4200億円)もの利益を叩き出していたからです。
10%強の利益を上げたわけです。
10%と聞くと、小さく聞こえますが、元本1,000万円で100万円もうけるのとはわけが違います。
元本が巨大になればなるほど利益率は落ちます。
世界中低金利の世界で年率10%は素晴らしい成績なのです。
運用元本がそこまで集まるのも長年の運用実績によるものですが、17兆円もあるわけですから選べる市場も限定的です。
話がずれますが、運用額という点ではヘッジファンドではありませんが、ソフトバンクの孫正義氏率いる10兆円ヴィジョンファンドも巨大です。
半分はサウジアラビアのムハンマド皇太子の出資のようですが、彼には年率7%の利益を保証しているといわれますので、
ブリッジウォーターの場合は、そういう条件がない中での17兆円は驚愕です。
ヘッジファンドは無制限に運用資産を増やし続けられるものではありません。
投資する市場が限られてくるからです。
池の中のクジラになってはいけないとよく言われる故です。
ブリッジウォーターにお金を払ってまで運用を任せたい投資家はたくさんいて、相当長いウエイティング・リストがあります。
ヘッジファンドのコストには、2つのものがあります。
マネージメントフィー(運用管理手数料)が1~2%、インセンティブ・フィー(成功報酬)は利益の15~20%と言われています。
無名のヘッジファンドならマネージメントフィーは0%でしょう。
ブリッジウォーターはおそらく2%-20%かと思われます。
ヘッジファンドが負ける場合は償還されるのは当然なのですが、ブリッジウォーターはどうも状況が違うようです。
ブルームバーグはこの償還についてこのように報告しています。
ブリッジウォーターは、「最悪の瞬間」にコロナウイルスに襲われたと、3月中旬に共同最高投資責任者であるダリオは、同社がポートフォリオを新興市場から利益を得るように配置したことを説明しました。
同社最大のファンドであるブリッジウォーター・ピュアアルファIIは、今年の最初の4か月間で20%減少しました。
ダリオ氏は3月中旬のノートで、同社が償還を「禁止するのではなく流動性」を提供することを投資家に保証した。
年金制度のウェブサイトの通知によると、クライアントに毎月の流動性を提供する同社は今年、バージニア退職金制度が4月末に有効なブリッジウォーター・ピュアアルファIIから1億7,800万ドルを引き出すという決定を含め、いくつかの脱落に見舞われました。
償還も少しだけあったもことかつ資産が減少したことで、ブリッジウォーターには新たにお金を受け取るキャパができたようです。
その結果、ブリッジウォーターは、ウエイティング・リストに載っている基金や会社、追加投資したい既存のクライアントからの資金
を新たに受け入れているということのようです。
こんなヘッジファンドマネージャーになってみたいですね~!
著者プロフィール

齊藤トモラニ 老舗FXスクール代表。
FX会社主催のセミナー講師としても活躍する。
著書に『簡単サインで「安全地帯」を狙うFXデイトレード』
ロンドンfxの松崎美子さんと一緒にYouTube「fxの流儀」を配信中
<FXの流儀youtubeチャンネル>
https://www.youtube.com/channel/UC30w5H2MGSs6wP1YFjPeXBg
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