オーストラリアと中国の関係悪化

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オーストラリアと中国の関係悪化

オーストラリアの株取引や豪ドル米ドルを取引していると、それらが中国の経済指標次第で大きく動くことを経験されていらっしゃると思います。

たとえば、中国のPMI(Purchasing Managers’ Index:購買担当者景気指数)が予想より良い場合などはオーストラリアの株式や豪ドル米ドルが買われるのが常でしたし、中国の消費者物価が下がれば、直ちに株価も、豪ドル米ドルも売られるといった具合です。

しかし、これからは様子がかなり変わってくるかもしれません。

 

というのは2国間の経済関係、政治的関係が大きく変わりつつあるからです。

関係の悪化が伝えられているからです。

 

2国間の関係が悪化するきっかけとなったのが、中国が近年オーストラリア政府の全組織に対して大規模なハッキングを行ってきたところから始まっています。

オーストラリアは本来輸出立国ですが、貿易対象の50~60%を占めていたのが中国であったことから、オーストラリアは、不況知らずでここまでやってこられたのです。

日本を含めた西側先進国経済は、2000年のITバブル、2008、2009年のサブプライム問題に続くリーマンショックで大きな痛手をこうむってきましたが、オーストラリアはすべて乗り越えてきたのです。

それは欧米の経済ショックの影響を受けにくかった中国との関係が幸いしてきたからと思われます。

 

それ故、実に28年間もの間リセッションとは無縁でやってこられました。

リセッションとは2四半期連続でマイナス成長になることと定義されますが、1990年代前半から今までずっとプラス成長してきたことになります。

ただ、今年になってから2回のダブルパンチがオーストラリアを襲っています。

広範囲の山火事と新型コロナ禍です。

 

6月4日のウォールストリートジャーナルはこう伝えています。

オーストラリアの28年に及ぶ景気拡大は、1990年代のアジア太平洋地域の経済危機、2000年代の世界的な経済危機、2010年代の主要コモディティー(国際商品)業界の好不況を乗り越えてきた。

だが、20年1-3月期の国内総生産(GDP)がマイナス成長となり、リセッション(景気後退)が差し迫っている。

壊滅的な山火事と新型コロナウイルス対策の各種規制が大きな打撃となった。

1-3月期のGDPは前期比で0.3%減少し、2011年以来の前期比マイナスに転じた。エコノミストらは、当局がコロナ対策を強化し、商業活動の

大部分が制限され、旅行業界が崩壊状態となった4-6月期は、GDPがさらに大きく落ち込むと予想している。

 

4月21日のブルームバーグは航空業界でショッキングなニュースを伝えました。

バフェットが手放したことで有名になった(米国)航空業界株の爆下げでオーストラリアの航空業界にも激震がはしったのです。

オーストラリアの航空会社ヴァージン・オーストラリア・ホールディングスは21日、任意管理手続き(日本の民事再生法に相当)に入ったと発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID19)

の流行で収益が急減し、アジアの航空会社で初めて経営破綻した。

同日の発表資料によると、デロイトが同社の管財人となる。

管財人は資本注入する新たな投資家を探し、債務を再編するなどの業務を担う。

航空業界では同社に先立ち英フライビーが先月、コロナ禍で経営破綻する初のケースとなった。

航空各社は国内外の渡航制限で大打撃を受け、政府に支援を要請せざるを得ない状況にある。

 

このダブルパンチに加え今、オーストラリアと中国との関係悪化が始まっています。

 

中国によるハッキング事件に続き、関係悪化を決定的にしたのが、今月オーストラリアが、率先して「WHO(世界保健機構)の年次総会で今回のコロナ禍での中国の責任を調査すべきという」議題を掲げたことから始まっています。

中国はその報復として矢継ぎ早に対抗策を取り始めています。

 

6/11のロイターは次のように伝えています。

オーストラリアのモリソン首相は11日、中国との関係が悪化していることについて、脅しには屈しないと述べた。

中国は豪州産牛肉の輸入を制限。

豪州産大麦に追加関税を課したほか、豪州への留学を検討している中国人学生に対し、新型コロナの発生で中国人を含むアジア人を差別する動きが見られるとして慎重に判断するよう促した。

新型コロナ感染を巡る人種差別と暴力を理由に豪州への渡航自粛も勧告している。

 

モリソン政権が中国とたもとを分かつ決断をしたのは、オーストラリア経済の中国依存度が高すぎることに加え、自国の主権が奪われるほどの中国による経済侵略が進んでいたからということのようです。

スコット、モリソン首相は2018年8月24日に就任したのですが、世界でお友達が安倍さんしかいないトランプ大統領の2人目の味方。

モリソン政権はトランプ式の経済政策をとり始めていて、減税策もとっています。

また米国に同調してファーウェイ機器の導入を禁止しています。

 

さて、このような2国間の関係悪化で、中国との取引が大きく制限された場合、広範囲の山火事と新型コロナ禍がなかったとしても、これまでのような好調な経済成長は期待できないと思われます。

それも覚悟の上での、モリソン政権の対中戦略転換ということになります。

 

とはいえ、オーストラリア株価や豪ドル米ドルは下がっているかというと、それはまだ起こってきていません。

オーストラリアを代表するオールオーディナリーズ株式指数は、欧米諸国の株価の動きと大差ありません。

2月から3月までは大きく暴落しましたが、その後は他先進国と大差なく戻しています。

一方、豪ドル米ドルについてはかなりの強気トレンドが続いています。

まだまだオーストラリアにネガティブな影響は表れていないようです。

 

オーストラリアの第一四半期のGDPは前期比マイナス3%と予想値-4%を上回っていました。

前年同期比では1.4%と成長しています。4月の貿易収支は88億豪ドルプラスと史上2番目に良い数字です。

ただ、中国との大幅な貿易減が反映されるのはまだだいぶ先になります。

とはいえ、中国としてもオーストラリアは農産品や鉱物資源の大きな供給先なので、代替国が見つからなければ、強硬な態度をとり続けられない状況も聞こえてきています。

 

6月11日のブルームバーグは、次のように伝えています。

中国商務省の高峰報道官は11日、オーストラリアが計画している外国投資法改正について、影響を見極め検証すると述べた。

高報道官は定例のオンライン記者会見で、中国は豪州の法規制に沿って対豪投資を行うよう中国企業に促すとともに、豪政府が中国企業を含む海外投資家の正当な利益を守ることを望むと語った。

高報道官は中国の大豆輸入が5月に増えたことについて問われ、国内のニーズとブラジル通貨レアルの下落が輸入を押し上げたと説明した。

 

豪ドルが、コロナ以降もっとも強い通貨のひとつになっていることは以前お伝えしました。

高めの利回りに加え、豪ドルのヘッジコストが17年ぶりの低水準になっているので、個人の日本人投資家達が豪ドル債を大量に買っているため、豪ドルが強くなっている理由になっています。

原油価格上昇、金価格上昇していることも豪ドルが強い理由になっています。

 

中国の指標が出るときの豪ドルの反応の変化に注視してみましょう。

これまでとは違ってきているはずです。

中国の締め付けにあっているので、輸出立国オーストラリアの経済指標も徐々に悪化していくものと思われます。

が、意外や意外でオーストラリアは上手く立ち回るかもしれません。

ここからの豪株価、豪ドルの動きに注目です。

著者プロフィール

memo
ウィンインベストジャパン( https://win-invest.co.jp/ )
齊藤トモラニ 老舗FXスクール代表。
FX会社主催のセミナー講師としても活躍する。
著書に『簡単サインで「安全地帯」を狙うFXデイトレード』
ロンドンfxの松崎美子さんと一緒にYouTube「fxの流儀」を配信中
<FXの流儀youtubeチャンネル>
https://www.youtube.com/channel/UC30w5H2MGSs6wP1YFjPeXBg

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