コロナ後V字回復した国

コロナ後V字回復した国

今週つまり2020年8月第一週には世界のPMI改定値が発表されました。

以前の記事にもご紹介しましたが、ヤフーファイナンスによると、PMI(Purchasing Managers’ Index:購買担当者景気指数)とは

民間調査会社・マークイット社が集計する景気指数で、「PMI」とも呼ばれています。

製造業やサービス業の購買担当者を対象にアンケート調査や聞き取りなどを行い、新規受注・生産高・受注残・価格・雇用・購買数量などの指数に一定のウエイトを掛けて算出するものです。

とあります。

 

このPMIですが、株式市場、為替マーケットの先行きを見るには最も早く、最も有効なファンダメンタルズ指標だと考えられています。

PMIの確報値は翌月第1営業日に発表となりますが、マーケットへの影響力を考えると当月の第4週の21日~24日の間に発表される速報値はトレーダーにとってより重要な指標になります。

PMIの数値が50を上回ると改善、50を下回ると悪化と判断されます。

 

このPMIですが、筆者の個人的な意見では、株式市場、為替マーケットの先行きを見るには最も重要なファンダメンタルズ指標だと考えています。

経済指標の中では最もマーケットに影響力があると言われているのが雇用統計ですが、中長期的なトレンドを知るにはPMIが雇用統計よりも有効力の高い指標と思います。

雇用統計と違って守備範囲が広く、ほぼ世界中で調査されているからです。

特に株の投資家は必ず知っておくべき重要な指標でしょう。トレードするのに一つだけ指標を選べと言われたら、文句なくPMIを選びます。

 

米ISM(Institute for Supply Management)やIHS Markit社が公表しているものが有名ですが、最近では主要国だけでなく世界各国に守備範囲が急に広がり始めたせいか、新規調査会社が出てきているようです。

たとえば、日本のPMIはJIBUN Bankが発表しています。

auじぶん銀行株式会社は、auフィナンシャルホールディングスと三菱UFJ銀行が共同出資する日本のインターネット銀行です。

オーストラリアのPMIについては、CommBank(オーストラリア・コモンウェルス銀行)というネットバンクが発表しています。

ヨーロッパ、米国については先に出たIHSマークイット社が発表しています。

中国で発表される財新製造業、非製造業PMIの財新は調査ジャーナリズムで知られる北京を拠点とする中国のメディアグループです。

また南アフリカのPMIはスタンダードバンクという南アナンバーワンの銀行が出しています。

 

さて、PMIはどのような調査なのでしょうか?製造業で説明してみます。

製造業大企業には購買部という部門が必ずあって、その担当者は仕入れ業務という重要な部門を担っているわけですが、彼らは自社の景気が良くなってくると社内の注文が増え、仕入れの量は増えてくるのを目の当たりにしています。

景気が悪そうだということになれば、当然仕入れ量は減っていきます。

仕入れの対象は本業に必要なものだけではなく、それこそ文房具に至るまでカバーしています。

 

彼らへのアンケートでは、新規受注が増えたか減ったか、生産量が増えたか減ったか、在庫量が増えたか減ったか、その他雇用とか入荷遅延まで聞いていきます。

答えは前月より「良い」(プラス1)、「同じ」(0)、「悪い」(マイナス1)の三者拓一で、担当者の個人的意見がアンケートとして集められるわけです。

担当者が面倒くさがってしっかりと答えてくれない可能性も考え何100社にもアンケート調査を行なってデータの不備を補っていくようです。

 

ということで、アンケート対象会社の担当者が、景気が良くなったと感じられればPMI値は上がってきますが、全体としては50を超えれば好況、50を切れば不況という判断になりますので、我々それを読み解くのも単純で分かりやすい指標と言えます。

数か月間の推移をみれば、その国の製造業が良くなってきているのか悪くなっているのか、たちどころに分かります。

良くなっていれば、従って、その国の株価は上がるとみてよいということになります。

なので、何か突発的な悪い情報で株価が下がったとしても、よほどの重大な悪材料でない限り、そこは買い場と言えるでしょう。

あくまで中長期的な分析の基準ですので、短期には応用できないもしれませんが...

 

今回のコロナ禍で都市のロックダウンが行われたためにPMIは通常では見られなかったくらい低い数字になっていました。

たとえば米国の製造業PMIは過去6年間50を切ることはありませんでしたが、今年の4月は36.1まで下がっていました。

英国も4月は32.6という低い数値を記録しています。

日本の場合、デフレから完全には脱却していないため、様子が少し違っていて、しばらく50を超えていませんでした。

50以下で低迷してきていましたが、3月ころからさらに急落して4月は37.8と安値を更新してきています。

 

今回のコロナ禍で都市のロックダウンが行われたためにPMIは通常では見られなかったくらい低い数字になっていましたが、依然として感染者数は爆発的に増えているものの、ロックダウンは終了していますので経済再開は始まっています。

 

今週(8/3の週)発表された7月製造業PMI一覧と6月、5月の製造業PMIです。(一部データが手に入らないものもあります。)

  • 日本:45.2-40.1ー38.4
  • オーストラリア:53.5ー51.2-44
  • 中国:52.8ー51.2ー50.7
  • 韓国:46.9ー43.4ー41.3
  • 台湾:50.6ー46.2ー
  • 南ア:51.2ー53.9-50.2
  • メキシコ:40.4-38.6-38.3
  • インド:46.0-47.2ー30.8
  • ロシア:48.4-49.4-36.2
  • ブラジル:58.2-51.6ー38.3
  • ドイツ:51.0(50)45.2
  • ユーロ:51.8-47.4-39.4
  • 英国:53.3-50.1-40.7
  • イタリア:51.9-47.5-42.4
  • スペイン:()-49.0-38.3
  • スイス:49.2ー41.9ー
  • 米国:50.0ー49.8-39.8

 

日本の7月製造業PMIは6月から5ポイントも上昇していますが、ここに掲げた主要国のなかでは最低です。

日本以外ではスイスを除いて発展途上国はまだ50以下のところが目立ちます。

インド、韓国、メキシコ、ロシアなどです。

現在コロナ感染者が爆発的に増えている南ア、インド、ロシアなどは6月より数値が下がっているようです。

コロナをほぼ抑え込んだといわれるヨーロッパと中国は完全に立ち直ったように見えます。

経済の先行指標となる株価は米国の上昇の方が大きいですが、ユーロ通貨が買われている理由はドル安だけでなく、ユーロ経済がV字回復し始めていることの表れかもしれません。

ここから米国のPMIもっと上向けば、世界経済のV字回復もありうるでしょう。

 

最近コロナ感染が増え続けているインドやブラジルも2極化しています。

インドは46.0と日本よりも少し良いくらいですが、ブラジルは感染者激増にもかかわらず、PMIはすでにこの上なく上昇しています。

日本がメキシコを除けば最低のPMIなのは、最近感染者が増え続けているせいもあるかもしれませんが、絶対数ではコロナ感染者、死者数は限定的なので、コロナが原因ではなく、おそらくデフレからまったく脱出していない段階での消費増税という悪い政策のせいかもしれません。

著者プロフィール

memo
ウィンインベストジャパン( https://win-invest.co.jp/ )
齊藤トモラニ 老舗FXスクール代表。
FX会社主催のセミナー講師としても活躍する。
著書に『簡単サインで「安全地帯」を狙うFXデイトレード』
ロンドンfxの松崎美子さんと一緒にYouTube「fxの流儀」を配信中
<FXの流儀youtubeチャンネル>
https://www.youtube.com/channel/UC30w5H2MGSs6wP1YFjPeXBg

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