アベノミクスと為替相場の関係性を解説!円安になるとどうなる?

安倍晋三内閣が打ち出した経済政策である「アベノミクス」という言葉をテレビや新聞などで頻繁に聞きますが、具体的な内容やどのような影響があったかを説明をできる方は少ないのではないでしょうか。

この記事では、アベノミクスの中でも、とりわけ為替相場へ与えた影響について解説します。また、為替と密接な関係がある株価にも範囲を広げて説明を行います。

アベノミクスの財政政策

アベノミクスとは、2012年12月に発足した第2次安倍晋三内閣で実施された経済政策です。「金融政策」「財政政策」「成長戦略」からなる「3本の矢」を政策の柱として掲げています。

アベノミクスの目的・実施の背景

1990年代のバブル崩壊を契機とし、日本は物価が下落するデフレ(デフレーション)により経済が停滞しました。いわゆる「失われた20年」です。日経平均株価は、1989年12月にマークした史上最高値である38,915.87円から下落を続けました。

そのような背景のなかで誕生した第2次安倍晋三内閣では、長期にわたり停滞していた経済を活性化させるために、経済政策「アベノミクス」を打ち出しました。

アベノミクスの具体的な内容

アベノミクスには、「3本の矢」と呼ばれる政策の柱があります。下記表では、アベノミクスで示された3本の矢の概要と実施内容を記載しています。

1

大胆な金融政策

・量的緩和

・2%のインフレ目標(インフレターゲット)

・円高の是正

2

機動的な財政政策

・大規模な公共投資の実施

・日本銀行を通じた国債の買い入れ

3

民間投資を喚起する成長戦略

・全員参加の成長戦略

・世界に勝てる若者

・女性が輝く日本

 

アベノミクスの成果

デフレからの脱却や景気回復をねらいとしたアベノミクスでは、様々な成果が生み出されました。雇用やGDPの改善はもちろんですが、とりわけ為替相場と株式市場へ大きな影響を与えました

円高から円安へ

金融政策の実施により、日本円の流通量は増加しました。2012年は1USドルあたり70円~80円台の円高基調が続いていましたが、アベノミクスが始まった後、2013年1月には1USドルあたり約90円と、円安がすすみました。

円高から円安へ推移した詳細は、記事の後半で詳しく解説します。

株価の上昇

アベノミクスによる金融政策で円安がすすんだ結果、日本株は割安で買うことができるようになりました。そのため、多くの海外投資家が日本国内の株式市場に参入し、人気の高まった日本株の買い注文が増え、株価が上昇しました。

株価の上昇についても、記事の後半で詳しく解説します。

雇用状況の改善

2012年11月の完全失業率は4.1%でしたが、2年後の2014年には3.6%、2016年は3.1%と徐々に改善していきます。そして、2019年7月には26年ぶりの低水準となる2.2%となりました。また、有効求人倍率も改善されています(2019年7月現在1.59倍)。

GDPの拡大

名目GDP(国内総生産)は、2012年の493兆円から2019年の556.5兆円となり、12.9%(約63兆円)上昇しました。また、実質GDPも過去最高を更新しています。

アベノミクスの為替相場に対する影響

アベノミクスの効果が表れる以前は円高傾向にありましたが、金融緩和を行い、日本円の流通量を増やすことで為替相場は円安へ推移していきます。円安で輸出産業が活性化し、景気の回復につなげようとした動きです。

アベノミクスによる円安

アベノミクスにより、円相場は大きな転換期を迎えました。前述していますが、2012年の1USドルは70~80円台で推移していました。少しずつ円安がすすみ、2014年には100円台、そして2020年2月現在は110~112円となっています。

なぜ円安になったのか

デフレから脱却するために、日本の中央銀行である日銀(日本銀行)がアベノミクスの一環として「異次元緩和」とも呼ばれる量的緩和を実施しました。これは物価が下がるデフレの状況を改善するために、日銀が市場から国債を買い上げ、流通する通貨量を増やすものです。

流通する通貨が増えると、お金の価値が下がりますその結果円安になり、相対的に物価が上がることとなります。またアベノミクスでは2%のインフレ目標があり、物価上昇を目指した政策を行っています。

円安のメリット

円安がすすむということは、USドルなどの外貨の価値が相対的に上がることでもあります。したがって、外国人の目線からすると自国通貨が強くなることになるため、海外からの旅行者や購買者が増えるのです。

また、円安になるとトヨタ自動車など、輸出を主として事業を行う会社が儲かります。極端な例ですが、1USドル=50円の時に日本国内では1,000円で売られている商品をアメリカで買う場合、20USドルが必要です。円安となり、1USドル=100円となった場合、10USドルで買うことができます。日本円での価値が変わらなくともアメリカ国内での価格は下がるため、輸出での販売量が増えることとなるのです。

円安のデメリット

輸出を行う会社は円安の恩恵を受けることができますが、逆に、輸入を行っている会社は為替の影響で円高時より割高な価格で商品を仕入れることになります。そのため、アベノミクスの状況下において、輸入に依存する会社が受けた恩恵は少なかったと推察されます。

アベノミクスの株価に対する影響

アベノミクスを実施することにより為替相場は円安傾向となりましたが、それに伴って株式市場にも影響を与えました。2012年には10,000円を下回っていた日経平均株価は、2019年12月末現在では26,000円を超えました。

海外からの投資の増加

2013年9月、安倍首相はニューヨーク証券取引所のスピーチで「バイ・マイ・アベノミクス(アベノミクスは「買い」だ)」と述べ、経済政策をアピールしました。実際、アベノミクスの影響下では海外投資家による日本株は買い越されています

日経平均株価の上昇

アベノミクスで円安傾向になった結果輸出産業が好況になり、関連する会社の業績が上昇しました。また、海外投資家の日本市場参入により多くの国内企業の株式が買われ、株価が上昇しました。

2012年11月末の日経平均株価は9,446.01円でしたが、2013年3月には、リーマンショック前の12,214.76円を上回り、2015年4月には15年ぶりに20,000円を回復しました。さらに、2018年1月には26年ぶりの高値である24,000円台を記録しました。そして、2019年12月末現在の終値では26,356.62円となり、依然として高い水準を維持しています。

今後の株価

これまで説明してきたとおり、アベノミクスは株価の上昇に寄与してきました。しかし投資家の皆さんにとっては常識ですが、株式市場の動きは予測ができません。東京オリンピックが終了した時点で景気が悪くなるという意見もあります。またアメリカの大統領選挙や米中貿易協議の進捗など、国外の動きにも左右されるために市場全体の動きを注視する必要があります。

まとめ

この記事をまとめると以下のとおりになります。

  • アベノミクスは、デフレ脱却を目指した経済政策。
  • 「金融政策」「財政政策」「成長戦略」からなる「3本の矢」を政策の柱としている。
  • 為替相場に対しては、円高から円安傾向となり、輸出産業が活性化した。
  • 円安へ推移したことにより、株価上昇の効果もあり、投資家が日本に興味を持った。

 

アベノミクスにより、日本経済は力強さを取り戻しました。特に、投資家にとっては大きなメリットがあったのではないでしょうか。批判の意見が全くないわけではありませんが、一定の結果を出した政策です。最終的な評価は未だ出すことはできませんが、今後の動向を見守っていきたいですね。

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