金価格とドル相場の変動の関係性とは?Akiの注目ポイントを解説!

金価格とドル相場の変動って関係あるの!?

金価格が変動する理由や金とドルの関係性を知らない人も多いのではないでしょうか。

そこで、今回の記事では、金価格とドル相場の関係性について、Akiが注目するポイントを解説していきたいと思います。

ドルよりも金が安全資産である理由とは?

金が安全資産であるのは、金の価格が国の信用に依存しないからです。

一方、ドルを始めとする通貨は、その通貨の国の信用に依存して、価格が変動します。

株式をイメージすれば分かりやすいかと思いますが、株式を発行している会社の悪いニュースが報道されたら、その会社の株価は暴落しますよね?

通貨も同じで、その通貨の国に対する信用がなくなれば、通貨は安くなります。

例えば、2016年にアメリカ大統領選挙が行われましたが、前評判ではクリントン氏がトランプ氏よりも優勢でした。

クリントン氏は具体的な政策にも言及して、期待感が高かったからです。

なので、選挙中はトランプ氏に有利な報道が流れると、ドル安に動いていました。

しかし、トランプ氏が当選してから、トランプ氏は法人税減税など具体的な政策を打ち出すことで、アメリカに対する期待感が高まったことから、1ドル100円程度だった為替は急激にドル高方向に動きました。

一方、金は国の信用がなくなっても(極端な話、国が破綻しても)、価値は残ります。

したがって、投資家の視点でみれば、アメリカなどの国への期待感が高まれば通貨にお金を入れるし、国への信用が落ちていると判断すれば、安全資産の金にお金を移動させるという心理が働くというわけです。

金価格の変動要因は?

金が安全資産だということは、お分かり頂けたかと思いますので、金価格の具体的な変動要因について解説していきましょう。

過去5年間の金価格の変動推移は次のとおりです。

また、一般的には次のような要因が金の価格変動に影響すると言われています。

金価格の上昇要因↑
  • 米ドルが安くなる(ドル安)
  • 世界情勢が不安定になる
  • 金利が低下する
  • インフレが発生する
  • 各国の中央銀行による金購入

金価格の下落要因↓
  • 米ドルが高くなる(ドル高)
  • 世界情勢が安定する
  • 金利が高くなる
  • デフレが発生する
  • 各国の中央銀行による金売却

金価格と米ドルとの関係

米ドルは、通貨の中でも最も信頼があり、世界中で数多く流通している通貨です。

通貨の中での信頼度が高いので、各国の中央銀行は外貨準備として米ドルを保有しています。

しかし、2008年のリーマンショック発生以降、各国の中央銀行からの米ドルに対する信頼が揺らいだことにより、中央銀行が金の保有するになったことから、金の価格は上昇しています。

通貨への信頼が低くなると、金の価格は上昇します。

逆に、通貨への信頼が高くなると、金の価格は下落する傾向にあります。

ただし、金価格の変動要因は、単純なものではなく、複雑に要因が絡んでいることから、金価格と米ドルが完全に逆相関(片方が上がれば、もう一方が下がる)の関係にあるという訳ではありません。

金価格と世界情勢との関係

金の価格は世界情勢と密接に関係しています。

2008年のリーマンショック後には、2012年にかけて金の価格は約2倍になりました。

最近の出来事で言うと、2018年から2019年にかけては、米中貿易戦争が勃発し、追加関税の発動などにより、世界経済に対する不安感が漂い、金の価格が上昇しました。

つい先日は、アメリカとイランの抗争により、一時的に米ドルが下落し、金の価格が上昇しましたね。

金価格と金利の関係

通貨を保有している場合、スワップという形で金利差分を受け取ることができます(逆ザヤの場合は金利差分を支払います)。

しかし、金には金利というものがありません。

金利をもらえるのであれば、通貨を保有しておいた方が良いのでは?とも考えられますが、昨今の各国の中央銀行の利下げなどの政策により、世界の金利水準は急激に低くなっています。

したがって、金利を生まない通貨を保有するよりも、安全資産である金を保有した方がよいという判断になることで、昨今は金の価格が上昇していると考えられます。

金価格と物価との関係

物価上昇することをインフレといい、物価が下落することをデフレと言います。

インフレが発生すると相対的にお金の価値が低くなることになります。

つまり、物(金)の価値が上がるのです。

金は実物資産なので、物価上昇に伴い価値が上がります。

インフレの懸念感が出てくると、安全資産である金が買われることになるので、金の価格が上昇しますが、インフレが収まってくると金の価格は下がってくることになります。

金価格と中央銀行による金売買の関係

金価格は中央銀行による金の売買動向にも影響します。

中央銀行の金の売買状況は、2009年までは20ほど売り越し(金売却>金購入)出会ったのに対し、2010年より22年ぶりに買い越しに転換しています。

つまり、中央銀行が金を積極的に購入していることも、金の価格上昇の要因の一つであるということです。

金価格とドル相場のAkiの注目ポイント!

さて、金価格の変動要因について分かったところで、具体的に米ドルとの動きの連動を見てみましょう。

過去5年間の金価格と米ドルの推移をまとめてみました。

主に記憶に新しい出来事を中心に、グラフに落とし込んでみました。

時系列に整理すると、次のとおりです。

2016年6月  イギリスEU離脱
2016年11月  アメリカ大統領選挙
2017年8月  北朝鮮発射ミサイルが日本上空通過
2018年7月~ アメリカの中国に対する追加関税措置発表→米中貿易戦争
 

イギリスEU離脱-金価格と米ドル

イギリスのEU離脱により、米ドルは安くなる一方、金の価格は上昇していることが分かります。

このときポンド円の暴落は激しく、多くのFXトレーダーが強制ロスカットをくらったことでしょう。

アメリカ大統領選挙-金価格と米ドル

アメリカ大統領選挙は記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。

大統領選挙には、クリントン氏とトランプ氏の勝負だったのですが、前評判ではクリントン氏が優勢だったものの、選挙中は、トランプ氏に優勢の情報が入るたびに為替相場が荒れていたのを覚えています。

結局は、トランプ氏が当選し、法人税減税などの具体的な政策を打ち出したことにより、アメリカに対する期待感が上昇し、ドル高に転じました。

ドル高になることで、金の価格が下落していることがグラフから見て取れると思います。

北朝鮮発射ミサイル-金価格と米ドル

北朝鮮がミサイルを発射したことで、地政学リスクの高まり、円安になったことで、相対的にドルが高くなりました。

グラフを見ると、ドル高になることで、金価格が上昇していますね。

米中貿易戦争-金価格と米ドル

2018年7月のアメリカの中国に対する追加関税措置発表を皮切りに、世界情勢に対する不安がよぎったこともあり、金の価格が上昇していることが分かります。

特に、2018~2019年は米ドルの下落幅に対して、金価格の上昇幅が非常に大きくなっていることから、通貨以外のお金も含めて、安全資産である金にマネーが流入していることが分かりますね。

最後に

ここまで、金価格と米ドルの関係を分析してきました。

トレードの生配信もしているので、どちらかというとテクニカル分析のイメージが強いかもしれませんが、実はファンダメンタルズ分析もやっています。

意外と地道に情報収集をして、分析をしたうえで、トレードをしています。

今後も、ファンダメンタルズ分析の情報をちょくちょく出していくので、参考にして頂けたら幸いです。

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