【為替直撃】コロナショックでFRB利下げか?買い場は来る?

新型ウイルスの感染が中国以外の東アジアでは韓国、中東ではイラン、ヨーロッパではイタリアと地球半周して拡大し始めていることをきっかけに24日、全世界的に株価が下がりました。

製造業のサプライチェーンとしての中国からのパーツや完成品が流れてこないことから実体経済にも影響がでてきていました。日本の例でいえば、2/21の東京商工リサーチのレポートによれば、中国進出企業のサプライチェーンのストップによる影響がすでに出ている会社が全体の23%、今後影響がありそうな会社が44%、影響がない会社が34%と3分の2の会社に影響がある模様です。

この3分の2の会社は、中国一辺倒であることのリスクを感じ始めていると思いますますので、今後はベトナムやタイなどへサプライチェーンを移すようなことになるでしょう。

日本政府はこのような会社に対して帰国勧告をするような政策はとっていませんが、結果的には米国政府の中国外し政策に合致する動きとなるのかもしれません。

以前ご紹介した2/10のウォールストリートジャーナル(オンライン版)によると、「ウィルバー・ロス米商務長官は30日、中国での新型コロナウイルスの流行によって企業が同国の生産拠点を米国内に回帰させ、職が取り戻される可能性があるとの認識を示した。この発言に対し、苦境にある中国へのあまりに無神経な発言だとの批判が上がっている。」という記事は、米国の意思を表わしたものです。

イタリアでは感染者の数が急増しているだけでなく死者も多くなってきていますし、街ごと隔離されはじめたような状況も起こっています。武漢を思い出させます。

ヨーロッパは24日、英国のFTSEは3.34%の下げ、ドイツDAXは4.01%下落しました。

これまで、新型コロナウイルスは対岸の火事という扱いであった米国でも、先週末の代表的な経済指標にもこの影響がでてきたものと思われます。

米国では21日金曜日にマークイットの発表する2月サービスPMIが49.4と4ポイントダウン2月の総合PMI速報値が突如(前月より悪くなったことを示す)50以下となり、マーケット参加者が異変に気が付き始めたようです。

そこで週明けの24日は米国ダウはマーケットのオープニング前から800ドルもの下げとなっていました。 その後はマイナス600ドルから1100ドルの下げで終始し、終値は1031ドル(3.56%)マイナスと史上3番目の大きな下げとなりました。

そして、東京市場。一時1000円以上下げましたが、引けでは下げ渋り終値は781円の下げでした。

ニューヨークも東京もパニック的なセリングクライマックス的な売りではありませんでした。

様子をうかがっているような動き。だからある意味怖いですね。

為替のほうは、通常「リスクオフ=円買い」の公式が崩れ気味で、21日金曜日は日本売りでドル円が急騰していましたが、24日、25日はリスクオフの円買いが進行しているように見えます。

さて、中長期的には株価はここから大暴落なのかそれとも買い場かなのか?

答えは新型コロナウイルスの感染拡大次第と思われます。

日本政府は新型コロナウイルス専門家会議を開き、「ここ1~2週間くらいがクリティカル(重要)で、これから感染があっという間に拡大してスピードがでてしまうのか、ある程度抑制ができるのかその瀬戸際にある。」とのこと。

対策としては「対面で会話する集会への参加を控える。熱などの症状が出たら自宅療養をする」という基本方針が出されました。

それなら、なぜ中国全土からの入国を禁止しないのでしょうか?蛇口を閉めないとこれからも新たなウイルスが持ち込まれるように思います。

もちろん日本だけの対応だけではウイルスの封じ込めはできません。 特に中東やヨーロッパでは今始まったばかりという局面です。

世界的なパンデミックになってしまうという、最悪の場合も考えておく必要はあります。 その場合は株の売りはさらに続きそうですし、世界のマネーは安全な国債の購入に回ると考えられます。

また、このような状況では世界の資金がドルや金に回帰する傾向があり、発展途上の国々から資金流出が速まって、デフォルトといった思わぬ経済危機がおこるリスクも考えられます。

そうならないように、どんな対策をとっておいたら良いのか? その点では、3月中旬に開催されるFOMC(17-18日)と、日銀(18-19日)の金融政策決定会合が注目されます。

FOMCは利下げの可能性が急遽出始めました。米国長期債利回りも急落して1.35%まで下がってきています。

本邦の10年国債利回りは-0.05%近辺でしたが、先週末から下がり、-0.1%まで下がってきています。

それでも日銀が設定している幅の内なので、どうせなにもできないだろうと思いがちですが、今回は事情が違うかもしれません?

たまたまこのタイミングでサウジアラビアのリヤドで開かれていたG20財務相・中央銀行総裁会議では、昨日のBS-TBSの報道によると、全ての政策手段で景気下支えサウジアラビアの首都・リヤドで開かれたG20の財務大臣・中央銀行総裁会議は23日、共同声明を採択し「新型コロナウイルスの感染拡大を含む世界経済のリスクの監視を強化する」と表明。

その上で「リスクに対処するための更なる行動をとる用意がある」とし、各国が財政や金融政策など全ての政策手段を使って景気を下支えすることで一致した。感染拡大が最も深刻な中国の閣僚は会合を欠席した」とあります。

中国は独自に18兆円の資金供給をやっているし、貸出金利も引き下げたりしていますので、結果上海株は春節明けの大ギャップダウンから一直線で上昇して、すでに穴埋め完了し終わってます。今回の世界的株安の下げにも影響されていません。

さて、日銀の黒田総裁は、NHKのインタビューで「日銀としても経済への影響が大きくならないか注視している。必要が出れば、ちゅうちょなく追加的な緩和をするということだと思う。」と、久しぶりに歯切れのよいことを述べました!

新たな量的緩和などした結果、円安になったりすると、トランプ大統領に「為替操作国」呼ばわりされはしないかと、いつもびくついている日銀ですが、今回は分かりやすかったですね。G20の総意があるんだから金融緩和もOK。

なにせFRBはすでに(かくれ)量的緩和やっているし!(7月には終わるようですが)ということなのかな。 ということで、今回は大義名分もお墨付きもあります。

通常、G20各国の財務相、中央銀行総裁が集まる会合では、さしせまった共通の課題がない場合は、あまりインパクトのある結論にはいたらないのが常ですが、今回は違うかも!

さて、日銀としては追加緩和って何ができるのか? マイナス金利の深堀、ETF購入額の増額、マネーサプライの増額等々やれる手は限られているのですが、それでも日銀はなんかしてくれるに違いないと期待感で株価は下がりにくくなるでしょう。

FRBも次回3/17-18に利下げする可能性も十分あるでしょう。 これまで、今年の利下げはないというのが、FRBのドットチャートから見て市場のコンセンサスでしたが、劇的な変化となります。

トランプ大統領も相変わらず利下げを要求しています。 大統領に忖度しているわけではないにせよ、世界的なパンデミックの可能性が出てきた今年、FRBは1回あるいは2回の利下げもあり得ます。

ということで、1~2週間後買い場が来るか?! それにしても決定会合までの期待感で円安が進行しているようなことがあったりすると、まさか黒田総裁日和って(ひよって)現状維持!とか、様子見!とかにしないですよね~?

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著者プロフィール

ウィンインベストジャパン( https://win-invest.co.jp/ ) 齊藤トモラニ

老舗FXスクール代表。FX会社主催のセミナー講師としても活躍する。

著書に『簡単サインで「安全地帯」を狙うFXデイトレード』 ロンドンfxの松崎美子さんと一緒にYouTube「fxの流儀」を配信中

<FXの流儀youtubeチャンネル> https://www.youtube.com/channel/UC30w5H2MGSs6wP1YFjPeXBg

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