レバノン債務不履行なるか?デフォルト連鎖に要注意!

本日、元日産自動車のカルロスゴーン氏が逃げ込んだレバノンが始めてデフォルト(債務不履行)を宣言しました。

カルロスゴーン氏はマロン派キリスト教徒で、「セクト別座席指定」国家のレバノン共和国の国家元首である大統領もマロン派キリスト教徒から選ばれることになっています。

つまり、同じ宗派の大統領がいるレバノンは彼にとっても便宜を図ってもらいやすい国だったのではないでしょうか。

ただ、レバノンではしばらく前から香港のようなデモが続いてきており、ある意味政府がさじを投げた一日となりました。 中東のスイスと呼ばれるレバノンの首都はベイルートで、夏はスキーも海水浴もできる地中海に美しい都市です。

政治的には、アラブ世界の中では,比較的民主的に政治を運営できる国だという一定の評価があります。

その証拠に、行政上の指導者である首相は選挙結果に基づいて以前から交代し続けており、2010年暮れに起こった「アラブの春」運動などで政府が転覆するような状況ではありません。

そのレバノンのディアブ首相が、本日支払期限の外貨建て国債12億ドル(約1260億円)について、外貨準備高が「危機的状況にある」として支払わない方針を表明しました。

レバノン政府はGDPの170%におよぶ借金を外貨でかかえているらしいので、いつかは「やばい」と思われていた国のひとつでした。

GDP比の債務額で世界で最も大きい債務を抱えているのは日本(2018年237%)というのは有名な話ですが、レバノンは同157%で6位。直近では170%に達していたようです。

ちなみに2位はスーダン3位はギリシャの順番です。

ただ、日本が即「やばい」というわけではありません。

むしろ、日本は世界で最も「やばくない」国の一つです。

レバノンと日本の大きな差は日本政府の借金は90%は日本円建てだからです。

つまり、その気になれば日銀に払ってもらえば、債務不履行とはならないわけです。

一方、レバノンの債務は全額外貨(ドル)建てなので、それができないということなのです。

またレバノンは信用度が低いので、ドル建て債の金利は通常より高いのでしょう。 最近では預金封鎖状態だったようです。

一日MAX500ドルしか引き出せなかったと伝えられています。

さて、レバノン政府はここから債権者と返済条件などをめぐる交渉に入るはずですが、国民が痛みを伴う財政改革はどうしても避けられず、国内の不満がさらに強まる恐れもあります。

生活に密着した問題でデモが続いてきているレバノンですから、ややきな臭さを感じざるを得ません。 国内の長年の不満とは政府・公共部門の資金繰り問題で一向に改善しないインフラに対する不満が挙げられます。

レバノンでは昨年の10月に大規模なデモが発生し、当時のサアド・ハリーリ首相が同10月29日に辞任を表明しました。

ンフラの老朽化のために、ネット、電話などの通信インフラが非常にコスト高であったので、レバノン人は普段の通信にはスマホアプリのひとつであるWhat`s up(ウァッツアップ、Lineみたいなアプり)を使っているらしいのですが、それに課税すると政府が言い出したのです。

これに猛烈に反発する大規模デモが起こり、ハリーリ政府は課税案を即撤回せざるを得なくなって、その責任をとってハリーリ首相が辞任に追い込まれた形です。

レバノンという国は多宗教多宗派国家(18宗派あると言われています)で、イスラム教スンニー派,シーア派,キリスト教マロン派といった主だった宗派の中からそれぞれ,首相,国会議長,大統領を選ぶという慣例になっています。

議会は宗派によって議席数が固定、大臣のポスト数も宗派・政党に割り当てられており、そう憲法で決まっています。

つまり、ハリーリ元首相はイスラム教スンニー派のアラブ人で、サウジアラビアの国籍も持つレバノン人でした。

1943年以来この政治体制をとってきたレバノンですが、宗派の人口比も変わってくるので、ずっと固定したままの既得権益者維持の体制には無理がありますね。

インフラ設備の老朽化に対する不満だけでなく、今のデモ隊は、政治的にイラン系ヒズボラが内政的に影響力を増していることに対する抵抗や、旧来の「セクト別座席指定」政治システムの変更を要求しているようです。

レバノンは地理的には南にイスラエル、東と北はシリア、西は地中海という地理的に位置する四国の半分くらいの面積しかない人口700万人の小国です。

70年代以前はイスラエルにも侵略され領土の一部を占領されたままのようです。

70年代から80年代はレバノン内戦、2000年代はイスラエル、シリアとの確執、現在は生活に密着した問題で、「アラブの春」運動がレバノンにも訪れています。 シリアからの難民問題も深刻です。

レバノンの人口は700万人と言われていますが、10年続くシリア内戦以来すでに7分の1にあたる100万人もの難民が流入しているようです。国土面積は違うものの、香港の状況とよく似ています。

700万人の香港人に対し100万人の中国人と似た比率です。

昨年の暮れから続いている今回のデモはこれまでではメインでなかった生活に密着した問題で,庶民が既得権益を持つエリート層に抱く格差解消を訴えているもので、指導層はこれまでになく難しい対応を迫られそうです。

タイミング悪く、本日のデフォルト。 今後もデフォルト続きそうです。レバノンポンドは暴落しています。債権者は誰なんでしょうか?デフォルト連鎖に要注意です。

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著者プロフィール

ウィンインベストジャパン( https://win-invest.co.jp/ ) 齊藤トモラニ 老舗FXスクール代表。

FX会社主催のセミナー講師としても活躍する。

著書に『簡単サインで「安全地帯」を狙うFXデイトレード』 ロンドンfxの松崎美子さんと一緒にYouTube「fxの流儀」を配信中 <FXの流儀youtubeチャンネル> https://www.youtube.com/channel/UC30w5H2MGSs6wP1YFjPeXBg

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