FXの値動きを分析するうえで移動平均線は大切な要素のひとつですが、多くの初心者の方にとっては移動平均線が何なのかわからないですよね。定義や使い方を学ぶことで、FXの可能性はさらに広がります。
今回は移動平均線の定義を紹介し、実際のFXなどの投資に役立つ使い方や設定方法、注意点などを解説します。これを読めば、FXを始めたばかりの人でも移動平均線の全体像がわかり、今後のトレードに役立てられるでしょう。
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移動平均線とは?

移動平均線とは、ある時点から過去の決まった期間における平均価格をつないだ線グラフです。チャートの区切りの期間と設定数値により平均価格の対象期間は異なり、たとえば日足で20なら過去20日間、1分足で30に設定すれば過去30分間の平均価格がグラフ化します。
上の画像はYJFX!によるアプリ「Cymo」のUSD/JPY日足チャートで、赤い線が5日の短期線、黄色が25日の中期線、水色は75日の長期線です。このように移動平均線は通常、対象期間が異なる2~3本の線を組み合わせ、短期や長期のトレンドをチェックします。
1920年ごろにアメリカで編み出された分析方法であり、1960年にトレードアナリストのジョセフ・グランビルが『グランビルの法則』という本で世界中に広めました。
特に初心者のトレーダーは、値動きを示すローソク足のジグザクした様子を見るだけでは現在の相場状況をつかめないことが多いですよね。
移動平均線が示す平均価格の連続は、相場の動きをスムーズに示し、トレーダーに市況を読みやすくさせます。以上から移動平均線は長期的な上昇・下落トレンドを見出すカギとして注目なのです。
FXにおける移動平均線の使い方
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移動平均線を投資に役立てるには、ローソク足と線グラフの位置関係に注目しましょう。ここでは5日平均線の日足チャートを例に解説します。
ローソク足よりも下に移動平均線があれば支持線(サポートライン)と呼び、その間は価格上昇が望みやすいでしょう。ただしローソク足が支持線を下へ突き抜けると、上昇トレンド終了予測や相場下落への不安感から、一気に価格が下がることがあります。
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ローソク足よりも上に移動平均線があれば抵抗線(レジスタンスライン)です。この間は価格の下落トレンドが多いでしょう。 ただし抵抗線をローソク足が上へ追い越せば、上昇トレンドの始まりと読む投資者が増え、価格が跳ね上がる可能性があります。
FXにおける移動平均線の設定方法

チャート画面左上のカテゴリボタンを押します。

希望銘柄を確認しましょう。「Bid」は売値、「Ask」は買値です。「5min」や「day」はローソク足一本あたりの区切りの期間を示しています。
「5min」は5分ごと、「day」は1日ごとで、左スクロールにより「month」(1か月)まで選べます。移動平均線は「ローソク足1本あたりの区切り期間×設定数値」が対象なので、忘れずに確かめましょう。

チャート画面に戻り、「設定」ボタンを押します。

「移動平均」にチェックを入れ、「詳細設定」をタップします。

3つの線はチェックがないとチャートから消えます。それぞれの設定数値を決めましょう。たとえば短期線は数値5なら日足チャートで5日、5分足だと25分間の平均価格をグラフ化します。
複数の移動平均線を使用したトレード手法
移動平均線はローソク足のチャート上にも出せることから、複数本を同時に示してさまざまな観点から相場の流れをとらえられます。短期線だけでなく、中・長期線の線の傾きを比べれば、長いスパンでの情勢をつかめるでしょう。
気をつけて見るべきポイントは、2本の移動平均線がクロスした瞬間です。ここでは日足チャートで短期の移動平均線を5日、中期を25日として以下のように解説します。

赤の短期線が黄色の中期線に対し、下から上へ抜ければ「ゴールデンクロス」となり、価格上昇を狙って買い注文を出すチャンスです。

逆に短期線が長期線の下へ沈んでいくと「デッドクロス」となれば、価格下落のサインです。しかしこのときでも最初に持っていないFX銘柄を売る「空売り」を行って売りポジションを取り、値下がりのあとで買い戻せば、売値と買値の差額で利益を上げられるチャンスです。
複数の移動平均線を用いれば、テクニカル分析にありがちなダマシを減らせます。より大きな流れをとらえ、買いや売りのチャンスをうかがうためにも移動平均線は大切です。
移動平均線の注意点

大局的な相場の流れのキャッチに役立つ移動平均線ですが、頼りすぎると思わぬ損失にいたる可能性もあります。移動平均線を使ううえで気をつけるべきポイントを2つ紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
レンジ相場では機能しない
移動平均線の目的は相場のトレンドを読み取ることです。したがってまとまった期間に価格の行ったり来たりが続くレンジ相場では、移動平均線も読みづらくなります。レンジ相場の最中は、移動平均線も価格と何度も絡み合い、ダマシが起きやすい状況です。
損失を最小限に抑えるためにも、ローソク足の横並びが続いているうちは、トレードに出ないで様子見が賢明でしょう。テクニカル分析の指標には、レンジ相場の先を見分けるのに役立つオシレーター系の指標を使うのも手です。
急騰・急落には要注意!
移動平均線は値動きをスムーズ化したグラフ線なので、価格の急騰や暴落には対応しきれないことがあります。移動平均線とローソク足の距離が急に離れすぎた結果、相場の急変に気づくのが遅れたトレーダーが売買のタイミングを逃すこともあります。
買いから売りまでの期間を縮めたり、移動平均線の設定日数を短くしたりすれば、相場の急変動にある程度は対応できるでしょう。
移動平均線 まとめ

今回ご紹介した移動平均線は、FXなどのトレードに役立つツールなので、使い方はマスターすれば利益を狙うヒントとして使えます。目先の値動きだけでなく、長期的な市場のトレンド分析が可能になり、冷静な判断を下しやすくなるでしょう。
複数の移動平均線を用いれば、ゴールデンクロスやデッドクロスなどのサインをとらえられることもあります。トレードを有利に進めるためにも、これから移動平均線を使ってみませんか。
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