「経済ニュースでFOMCの名前を見たが、どんな意味?」
「FOMCの役割って何?」
「FOMCの政策決定はFXにどんな影響を与えるの?」
など、FOMCに疑問がある人は多いでしょう。FOMCは世界経済への影響力が大きいので、全体像を学ぶことで投資のヒントを得られます。
今回はFOMCを一から知りたい方のために、特徴や役割、経済への影響などを解説します。これを読めばアメリカ金融政策に重要なグループの全体像がわかるでしょう。
FOMCとは?

FOMCは「Federal Open Market Committee」の頭文字を合わせたもので、「連邦公開市場委員会」と訳せます。彼らの役目を紹介していきますね。
アメリカの金融政策を決める会合
FOMCとは、アメリカにおける今後の金融政策を決めるための委員会です。年8回開催で、会合では景気評価や、新たな政策金利を決めます。アメリカは世界全体への経済に対する影響力が強いので、ここで利上げ利下げが決まると、株式市場やFXなどへの影響も世界レベルです。
以上からFOMCにおける政策金利は経済の重要指標で、世界中の市場関係者や投資家が毎回内容に注目しているのです。
FOMCの成り立ちとは?
FOMC自体は1933年に現在の名称がつきましたが、元祖は1790年にアレクサンダー・ハミルトンが設立した中央銀行制度です。それ以来制度の終了や再開を繰り返し、南北戦争期の国立銀行制度を経ました。
1912年にウッドロー・ウィルソン大統領により連邦準備制度法が可決し、現在のFRBができました。1922年にはFOMCの前身である非公式委員会が誕生し、11年後の現体制につながります。
FOMCを主催するFRBとは?
FRBは「Federal Reserve Board」の略で、連邦準備制度理事会の略です。アメリカの中央銀行制度における最高意思決定機関で、FOMCの主催団体としても多くの人が知っています。
ニューヨーク連邦準備銀行総裁に加え、7名のFRB理事、地区連邦準備銀行4行の代表による12名編成で、年8回FOMCを開催しています。
FOMCの決定は世界経済への影響が大きい
FOMCの決定が世界経済に大きく影響するのは、アメリカの動向自体がグローバルな影響力をもっているからです。FOMCの結果、金利アップやダウンが決まれば、世界中の投資家心理に影響を与え、株価や通貨価値を大きく変えるかもしれません。
特にFXにおけるUSD関連のペアは、アメリカの金利が変わった直後の値動きに注意が必要です。FOMCのスケジュールを確認し、自身の目当てや保有中の銘柄に影響が出そうか見極めましょう。
そもそも金融政策はどう決まる?

FOMCは金融政策を決める場として有名ですが、政策の定義を知らない人もいるでしょう。この章では金利などお金の流れに関する政策を決める場の意義を紹介します。
金融政策の意義を知ろう
金融政策の基本的な目的は物価の安定です。物価が定まれば、国民はお金を使った健全な生活を送りやすくなります。そうした意味でも国は経済発展を見据えて金融や通貨価値の調整を行い、金利のプラスやマイナスもその一環です。
国は金融政策時、必要に応じて資産の買い入れなど特別な策を行うこともあるため、投資に興味のある人はFOMCや日本銀行による金融政策に注目しましょう。
日米における金融政策の違い
同じ金融政策でも、国により機関や方法などが異なります。たとえば日本では日本銀行が政策金利などの金融関連の計画を決めます。物価の安定をメインの目的として、国民の健全な生活をサポートするためにベストな政策を考えます。
アメリカの金融政策はFRB主導です。こちらでも物価安定を考慮しますが、それ以上に雇用安定化に重きを置いた政策が多い印象です。アメリカは先進国で失業率が高いため、多くの労働者が働けるように金融面からサポートを行っているようです。
2020年3月、FOMCが緊急利下げを決定

2020年3月、アメリカは政策金利をそれまでの1%近くから0.25%まで切り下げています。新型コロナウイルスの世界的流行による経済的な影響を懸念したものです。
今回のようなアメリカにおける金利の利下げが社会に与える影響について考えてみましょう。
過去20年の政策金利の推移

FOMCによる利下げの背景は?
FOMCによる今回の大幅値下げの背景には、新型コロナウイルスの世界的流行があります。感染者が世界的に増え、各国が安全確保のために店舗などの施設運営を自粛する動きが盛んになり、人々の活動が少なくなったからです。
多くの国で都市封鎖や外出制限などを行なっている関係で、経済の流れが止まっており、アメリカはその影響を見越して大幅な金利ダウンを決めました。
利下げによる社会的影響
今回に限らずFOMCが利下げの金利政策を決めると、FX相場をはじめ世界中の経済に影響が出ます。一般的に利下げの目的は物価上昇や景気の刺激です。アメリカでは失業率抑制のため、金利アップによる景気改善で働く人をサポートします。
しかし利下げの状況によっては、アメリカの景気失速に懸念を抱いた投資者の売り注文が殺到し、株安やドル安にいたることもあるのです。
利下げに対して私たちができること
アメリカで利下げが起きたときは、目の前のFX相場に一喜一憂するばかりでなく、金融政策の背景や過去からの流れなどを見ておきましょう。
同じ利下げでも、物価アップで景気改善なら米ドルの価値がアップします。FXでもUSD関連のペアが買いになるでしょう。しかし利下げでも景気がよくなるとは限らず、米ドルの価値が上がらないときは損切りも考えられます。
FOMCの利下げが投資分野に与える影響

ここからは、FOMCの利下げがFX相場をどう変えるかを考察します。こちらを参考にして、目当ての通貨を使っている国における金利政策の変化に対応するヒントを学んでみてくださいね。
利下げ通貨が安くなる
基本的に金利をダウンさせた国では、法定通貨が安くなります。アメリカで金利が下がれば、FXでも多くの通貨ペアで相場ダウンにいたる可能性があります。
法定通貨の価値がダウンすれば、保有中の投資家が売り払うケースが多くなり、さらに価値が下がっていくことも考えられます。FOMCが利下げを発表すれば、直後はFX相場の落ち込みを警戒しましょう。
利下げで株価が上がりやすくなる
アメリカで利下げが起きれば、直後は通貨安が起きがちですが、時期が経つほど物価が上がるケースがあります。これにより株価などほかの投資分野の価値が上がり、FX相場を刺激するかもしれません。
金利ダウンでお金を使いやすいと考える人々が多くなり、消費の活発化で物価が上がれば、長期的なFX相場の好景気につながるかもしれません。以上から目先の価格変動だけでなく、将来的な値上がりの可能性も検討するとよいでしょう。
世界各国の情勢バランスを見ることが大切
アメリカの利下げ発表では、各国の情勢の違いにも気を配りましょう。アメリカで景気が好転しても、ほかの国では不景気などにより状況が変わらず、むしろ悪くなることさえあります。
外国との貿易や外交なども国の経済につながるため、金利だけでなくさまざまな要素から総合的に考え、投資をするか判断しましょう。
まとめ

FOMCはアメリカの金利政策を決める委員会で、FRBという中央銀行制度の最高意思決定機関が主導しています。FOMCの動向は、FX相場などの世界経済に大きな影響を与えます。
2020年3月に新型コロナウイルスの影響を受け、FOMCでは歴史的な利下げが決まりました。これによるFX相場への影響も大きく考えられます。しかし今回のような利下げが起きても、金利や物価以外の要素でFX相場が好転するペアもあるかもしれませんよ。
関連記事FXにおけるファンダメンタルズ分析とは?特徴や経済指標も解説!
人気記事現役トレーダー1000以上に聞いた!FX会社人気総合ランキング!
コメントを残す