コロナショックとアジア通貨危機を徹底比較!

アジア通貨危機

2020年、コロナウィルスは世界で猛威をふるっています。世界中で多くの方が亡くなり、アメリカやヨーロッパを中心に大きな被害を受けています。また経済面でも、株価は急落し、為替も日々大きく変動しています。

今回のコロナショックで多くの方が思い出すのは、リーマンショックでしょう。しかし、リーマンショックのもっと前(1997年)に起きたアジア通貨危機を思い出す方もいるのではないでしょうか?

アジア通貨危機が起きたのは20年以上前なので内容について詳しく知らない方もいると思います。そこで今回は、アジア通貨危機の内容を確認しコロナショックとアジア通貨危機の共通点について説明します。

この記事を読めば、コロナショックとアジア通貨危機の状況について理解することができます。

アジア通貨危機とは

アジア通貨危機とは

アジア通貨危機とは、1997年7月から起きたタイを震源地とするアジア各国の通貨の大暴落と経済危機のことをいいます。

アジア通貨危機が起きた主な原因はヘッジファンドなどの機関投資家が、タイの通貨・バーツを大量に売り込んだことが発端です。

当時、タイはドルペッグ制を採用していました。

memo
ドルペッグ制:自国通貨とドルの為替相場が連動されること

 

タイは、ドルペッグ制を維持するためには、大量のバーツ買いを実施しました。しかしバーツを買うためのドルが不足してしまい、バーツの価格を支えることができなくなってしまいました。

結果として、ドルペッグ制を維持することができなくなり変動相場制へ移行せざる得なくなってしまいました。

変動相場制に移行した結果、バーツはドル対比急落してしまい、この影響は、同じくドルペッグ制を採用していた、韓国やインドネシアにも及ぼしました。

これらの国はもはや自国だけでは、自国通貨を支えることができなくなり、国際通貨基金(IMF)の支援を受ける事態になりました。

IMFの支援を受ける代わりにIMFの支配下に入ることになり、財政立て直しのために様々な厳しい条件が出されました。

IMFの条件をクリアするようにした結果、当時インドネシアや韓国・タイは5%以上のGDP成長率を達成していましたがにマイナス成長に陥る事態になってしまったのです。

ポイント
自国通貨(タイのバーツや韓国のウォンなど)が売り込まれる。
  ⇩
ドルペッグ制を維持するためにドル売り自国通貨買いを実施する
  ⇩
自国通貨を買うためのドルが不足する
  ⇩
ドルペッグ制の維持ができなくなる
  ⇩
自国通貨が大暴落する
  ⇩
自国では自国通貨安を止めることができなくなる
  ⇩
IMFに支援をしてもらう
  ⇩
IMFから財政再建のため厳しい条件を突きつけられる
  ⇩
IMFの条件をクリアするために緊縮財政にする
  ⇩
マイナス成長になる

アジア通貨危機とコロナショックの共通点

アジア通貨危機とコロナショックの共通点

今回のコロナショックとアジア通貨危機にはいくつかの共通点があります。主な共通点は、

  1. 外貨準備率の警戒感
  2. 過剰流動性

 

の2つです。それぞれの共通点について詳しく説明します。

外貨準備高の警戒感

1つ目の共通点は、外貨準備高の警戒感です。韓国を例に外貨準備高についてみていきましょう。

1997年10月時点…約60億ドル
2020年2月時点…4091億7000万ドル

 

アジア通貨危機の時と比べると、外貨準備高は十分にみえます。しかし、韓国はコロナショックを受けてドルを確保するように動いています。

3月19日にはアメリカと600億ドルの通貨スワップを実行しました。更に2019年に停止になった日本との通貨スワップ取引も復活させようとしています。

日韓のスワップは、韓国からみれば、実質ドルの調達を行えるものなのでドルの外貨準備高に不安があると一部の専門家はみています。(円は世界第3位の流通量を誇る通貨なのでドルに換えやすい)

韓国の外貨準備高は一見すると潤沢のように見えますが、韓国の保有している外貨準備高の内訳は、有価証券が圧倒的に多いです。

有価証券が多いのでマーケット環境に左右されやすく、現に2020年3月末の外貨準備高は4002億1000万ドル(約43兆円)で、前月比89億6000万ドル減少しています。

他のタイやインドネシアもアジア通貨危機の時と比べて外貨準備高を増やしていますが、当時とは、経済環境や経済規模が違うために一概に潤沢であるとはいえないのです。

【参考】
タイの外貨準備高
・1997年…260億ドル
・2018年…2,050億ドル
インドネシアの外貨準備高
・1997年…120億ドル
・2018年…1,700億ドル

 

過剰流動性

2つ目の共通点は過剰流動性です。アジア通貨危機の時も今回のコロナショックも市場にお金がじゃぶじゃぶある状況です。

アジア通貨危機の時は韓国やタイ、インドネシアは、自己経済の発展のため積極的に海外資本を流入させる政策をとりました。

通貨の金利を高くして海外から多くの資金を流入させていたのです。結果として、株高や不動産の高騰が起こりました。

実体経済に合っていない高騰を招いてしまったため弾けた時の影響は、前述のような深刻なものになりました。

今回のコロナショックでも、各国が一斉に政策金利を引き下げたため資金を調達しやすい状況になりました。リーマンショックの時も過度にお金を貸していたため市場にお金がだぶついている状況でした。

過剰流動性は、弾けた時の影響が深刻になることは歴史が証明しています。

今回のコロナショックが大きな経済危機を呼ぶ可能性は決してゼロではないのです。

アジア通貨危機とコロナショックのドル円の動き

アジア通貨危機とコロナショックのドル円の動き

アジア通貨危機とコロナショックのドル円の相場を見てみましょう。

下がアジア通貨危機のドル円相場です。

アジア通貨危機のドル円相場

ドル円は1998年8月には、144円まで円安ドル高になりました。

コロナショックのドル円相場は以下のようになります。

コロナショックのドル円相場

一時、101円台まで円高になりましたが、すぐに110円台まで戻っています。

アジア通貨危機の時もコロナショックもドルが強いことがわかります。

コロナショックはドルの一人勝ちになるのか?

コロナショックはドルの一人勝ちになるのか?

リーマンショックのときは大幅な円高になりましたが今回のコロナショックはアジア通貨危機の時と同様、円安ドル高になっています。円以外の通貨に対してもドルは強い状態になっています。

このままドル高が続くかはわかりませんが、ドル高が続くと深刻な問題を引き起こすかもしれません。

ドル高が進むとアメリカ企業の利益縮小や各国の債務返済コストが顕在化する

ドル高が進むとアメリカ企業の利益縮小や各国の債務返済コストが顕在化

もしこのままドル高の傾向が続くと、アメリカ企業の利幅を圧縮することになり、多額のドル建て債務を持つ新興国を中心とする多くの国にとって債務返済コストをあげることなります。

ドル高になると債務返済コストが上がるととはどういうことかというとドル建ての債務が1,000万ドルあると仮定すると自国通貨に対するドルの価格が100円(ドル安)のときは10億円となります。

一方、自国通貨に対するドルの価格が120円(ドル高)の時は12億円になります。したがって、ドル高になればドル建ての債務は自国通貨ベースの返済額が増えてしまうことになるのです。

ドル高と世界的な景気後退が同時に起こってしまうと回復には相当な時間がかかってしまうかもしれません。

まとめ

まとめ

今回はアジア通貨危機とコロナショックについて説明しました。

コロナウィルスという外的な要因で世界経済が深刻なリセッションに入ってしまう可能性はゼロではありません。

コロナショックがいち早く治ることを心より祈っています。

この記事に書いてあること

〇アジア通貨危機とは

〇アジア通貨危機とコロナショックの共通点
 ・外貨準備高の警戒感
 ・過剰流動性

〇アジア通貨危機とコロナショックのドル円の動き

〇コロナショックはドルの一人勝ちになるのか?

〇ドル高が進むとアメリカ企業の利益縮小や各国の債務返済コストが顕在化する

 

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