【コロナショック】リスクオン時のドル円買いが消滅!?

最近ドル円と日経株価が連動しなくなってきています。

いつもは株価が下がるリスクオフの状態ではドル円も売られるという動きがみられましたが、ここのところ正反対に動くこともあります。

なぜドル円と日経株価の相関が崩れてしまっているのか?これまでの順相関の動きは戻ってこないのか?

新型コロナのパンデミックでいろいろな予期しなかったことが起きているので、市場の何かが変わったのかもしれませんが、答えが見つからないとテクニカル以外でトレード戦略が立てにくいです。

最近コロナショックが引き起こした最大のショックは原油の大暴落でした。

コロナ感染の拡大はまだ世界中で続いていて、世界中の都市封鎖のために経済活動が不要不急なものを除いてストップしていることで、原油需要が3割も減っているので原油価格の下落は当然といえば当然です。

先日の日銀金融政策決定会合と金融レポートでは、今年の日本の実質成長率は-3%から-5%のマイナス成長ということでした。一番痛手を受けている観光業界、航空業界、鉄道業界、ホテル業界でも2019年度の決算は大幅減益が見込まれます。また、外出自粛が長引けば、倒産リスクも非常に高くなってきます。

これを防ぐために日銀が一昨日の金融政策決定会合で国債の買い入れ枠を撤廃して無制限に買うことを決定しました。

無制限というのはすごいことです。政府がお金を欲しいだけ日銀が刷って渡すということなのですが、いわゆる禁じ手である財政ファイナンスを行うということになったわけです。

財政赤字を賄うために、政府の発行した国債等を中央銀行が通貨を増発して直接引き受けることを財政ファイナンスと定義されていますが、国債のマネタイゼーション(国債の貨幣化)ともいいます。

日本においては、財政規律を失い悪性のインフレを引き起こす恐れがあるため、特別の事由がある場合を除いて財政法第5条により原則として禁止されています。

直接の引き受けではないので、問題ないということが隠れ蓑になっていますが、すでに政府の借入金はGDPの200%以上にもなっているため、このまま借金を増やし続けるのはいかがなものかと思います。

ただ、最近はやりのMMT理論(Modern Monetary Theory)によると、「財政は赤字が正常で黒字のほうが異常、むしろ、どんどん財政拡大すべき」で低インフレ下では自国通貨建てで財政赤字を拡大させてインフレ率を高めることができるという、これまでの常識を覆すような理論です。

ただ、MMT理論でも大規模な量的緩和をした結果金利が大きく上がってきてしまう場合は直ちに緩和策をやめる必要があるといわれています。

そうなった場合、日本政府のコストが上がってしますので、そのコストをカバーするために消費税などの税金を上昇させるしか手がないようです。

外国の投資家にとって、今回の無制限国債購入という日銀の政策で金利が上がり過ぎてしまうのではないかとの疑問を持つ人は多いと思います。

それはすぐではないにしても、将来的には日本売りにつながる原因となりそうです。

ということで、日銀は、特にアベノミクス以降バランスシートを5倍にも膨れあげさせ、インフレ2%目標を立てているものの一向に2%に達しません。

イールドカーブコントロール政策で自分で国債を買い続けて金利を下げているので、金利が上がるわけありません。

もう8年近くたっているのでそろそろ考え直すべきでしょう。

やり方を少しずつ変えてはいますが、効果ないのでそろそろ質的にがらっと変えるべきかもしれません。

ともかく、黒田総裁はECBのドラギ元総裁の2012年の有名な言葉をそのまま引用し「中央銀行ができることは何でもやる」と強調しました。これを好感した形で28日の日経株価はメジャーレジスタンスと思われた20,000円を再び突破しています。

ただし、リスクオンのドル円買いはなく、ドルインデックスの急落に伴ってドル円は107円が決壊し、105円、106円に向かって最近の安値を切り下げ始めています。

28日の日経新聞では、次のように伝えています。

「外国為替市場で円の対ドル相場が再び膠着している。原油先物が歴史的なマイナス価格を付け、27日には日銀が追加の金融緩和を決めるなど相場材料には事欠かないはずだが、円は1ドル=106~107円近辺に張り付いたまま。背景には、3月の相場乱高下で痛手を被った機械取引や、極端な経済指標や政策変更にも動揺しなくなった投資家の存在がある」

市場は依然として世界中の主要都市封鎖が継続しており、結果的にファンダメンタルズ的にはリスクオフ状態が続いているため、ドル円が売られているといえなくもありません。

しかし、都市封鎖ととてつもなく悪い経済指標には慣れっこになり、都市封鎖が緩められる日も近いという期待感とFRBや日銀のなどの中央銀行がとっている無制限緩和策のおかげで、市場の安心感が広がり始めているということで、株価は上昇しているのかもしれません。株価は半年後のマーケットを先取りしているからと言われますので・・・。 引用元:SBI証券公式HP

筆者の個人的な憶測ですが、日経株を動かしている外人勢、とくに米国のヘッジファンド勢が外出禁止のためにオフィスのトレードアルゴを動かせないため、日経とドル円のヘッジ機能が働いていないためなのかもしれません。

これまでは、日経のロングの時は為替ヘッジでドル円を買い、日経を売るときは為替ヘッジでドル円を売るというアルゴが動いていました。

それと、だいぶ落ち着いてきたとは言え、実体経済は悪いままであり、ここからすぐに良くなる見通しではないため、ドルへの需要は依然として根強く、為替マーケットをリードしているのはそのひっ迫気味のドルだからということができるのかもしれません。なので通貨はドル次第ということになっています。

とはいうものの、ドル供給が大幅に進行していることから、急激なドル高にはこれからはなりづらく、コロナが緩和される時は一気にドル安もあり得ます。そんな時はドル円も下落するようなことになるのかもしれません。

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著者プロフィール

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ウィンインベストジャパン( https://win-invest.co.jp/ ) 齊藤トモラニ 老舗FXスクール代表。 FX会社主催のセミナー講師としても活躍する。 著書に『簡単サインで「安全地帯」を狙うFXデイトレード』 ロンドンfxの松崎美子さんと一緒にYouTube「fxの流儀」を配信中 <FXの流儀youtubeチャンネル> https://www.youtube.com/channel/UC30w5H2MGSs6wP1YFjPeXBg

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