新型コロナの感染スピードが落ちてきて、ヨーロッパの一部の国々や米国の一部の州ではロックダウンが解除あるいは緩和され始めています。
日本の緊急事態宣言もほどなく「特定警戒都道府県」の内の東京都と大阪府、北海道などを除いて39県で緊急事態解除が14日にも発表されようとしています。
いよいよ先進国では新型コロナからの大脱出が始まったわけですが、うまくいくのでしょうか?専門家はどう見ているのか?それを調べてみようと思います。
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新型コロナに対する専門家の意見
5月13日のブルンバーグによると「米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は、新型コロナウイルスの感染を「制御可能な状態」にしない限り、米経済は回復しないと言明。
各地で散見される外出制限への抗議デモに再考を促した。
デモをあおるツイートを連発したトランプ大統領の姿勢と対照的な発言となった。
同氏は「ウイルスを制御可能な状況にしない限り、本当の意味での経済的回復は実現しない」と発言。
「早計な行動感染者なので感染が急増する事態を招けば、状況は後退する」と説明した。
感染症の第一人者としてホワイトハウスの政策に携わるファウチ氏は、デモ隊に対するメッセージとして、「経済学
の見地に立てば、痛みを伴うものだが、早過ぎる活動再開はかえって痛みを大きくする」とABCの番組で述べた。
と伝えられています。
ファウチ氏の衝撃的な発言で、5月13日に米株は売られることとなりました。
引用元:TradingView
「制御可能な状態」?というのはつまりワクチンつくるまではだめという意味にとれます。
それを証明するかのように、ロックダウンを解除し始めた各国からは残念ながら新たな感染が伝えられ始めています。
各国の感染者の発生状況(第2波?)
ヨーロッパでは英国、イタリア、スペイン、フランスはすでに各国とも3万人前後の死者数となっていますが、ドイツはその4分の一くらい(7,000人台)の死者数に抑え込んでいましたが、5月6日にロックダウンを解除しました。
1人の患者から新たに何人が感染するかを示す再生産数が解除時0.65まで下がっていたのが理由の一つだったようですが、解除後の再生産数は1.13まで上昇し、感染収束の目安である「1」を2日連続で上回ってしまったようです。
同じく6日にロックダウンが解除された韓国でも繁華街のクラブでの集団感染が発生してしまったようです。
20代の男性が発熱などの症状があるにもかかわらずライブイベントに来場し、13日までに119人の新規感染者が確認されたとのこと。
中国の湖北省武漢市では9日、都市封鎖解除後初めての感染者が発生しました。
また北の黒竜江省などでは新たに都市封鎖も行われた地域があるとネットなどで伝えられています。
インドは感染者が少ない一部の地域で経済活動の再開を認めましたが、ムンバイなど大都市は感染者の急増が続いている模様です。感染者数は1日2千~3千人規模で増えているようです。
ある程度予期されていたものの、感染の第2波、第3波をいかに抑えるかが課題のようです。
世界経済の回復の仕方!V字?U字?W字回復?
さて、このような状態で今後の世界経済はどんな回復の仕方をするのでしょうか?V字回復、U字回復、あるいはW字回復?
SankeiBizによると野村ホールディングスのロブ・サバラマン氏率いるエコノミトらは米国の最悪のシナリオはL字だと主張。
一方、英インペリアル・カレッジ・ロンドンの学者らはパンデミックをコントロールする取り組みが時期尚早に緩和されれば、ウイルス感染が再び拡大する可能性があると警告している。
ウイルス感染が再び拡大すれば再び規制が課され、不透明感が再燃、職場の再閉鎖とサービス提供の停止が余儀なくされる。結果的に回復は困難になり再びリセッションに陥る。これがW字軌跡だ。
とのこと。
感染症の専門家たちはおそらくファウチ氏やインペリアル・カレッジ・ロンドンの学者と同じような発言するのが一般的であることが分かりましたが、それでも経済に重きを置く人間はロックダウン解除を訴えるでしょう。
感染症で死ななくても経済で死ぬことになる、という理屈ですね。
ブルンバーグによると、国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は12日、中国経済が新型コロナウイルス感染拡大の影響から「早期に回復する」可能性が高いとの見通しを明らかにした。
ゲオルギエワ専務理事はワシントンで発表した声明で、中国での感染拡大について「なおかなり多くの不確実性」が残る状況だとしながらも、失われた時間を取り戻すため生産施設が稼働ペースを再び加速させ、在庫が補給される中で、中国経済が早期に回復するというのが、今の基本的な予測だと説明しています。
ブラード米セントルイス連銀総裁は、4月14日新型コロナウイルスの新たな感染拡大を抑えるために検査を大規模に実施し、米政府と企業が強力に対応すれば、米経済は2020年7-12月(下期)に力強く回復するはずだと語っています。
ブラード総裁はテレビ会議によるバーチャル討論で、次のように発言した。
V字回復できない理由はない。それが起きそうにないという主張が広まっていることは承知しているが、私はそれが可能だと考えている
バーナンキ元米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、次のように述べた。
4月8日に新型コロナウイルスの感染ペースを鈍化させる取り組みにより米経済が今四半期に急減速した後、急回復は見込めない
バーナンキ氏は7日にブルッキングズ研究所主催のバーチャル会議で、回復が「急速になるとは思わない」と指摘。
「かなりゆっくりとした活動再開を余儀なくされる公算が大きく、その後、活動が鈍くなる期間があるかもしれない」と語った。
グローバルマクロの雄であるジョージソロスの右腕で、ソロス氏の後釜と言われていたスタン・ドラッケンミラー氏は、次のように述べたと伝わっています。
エコノミック・クラブ・オブ・ニューヨークが主催したオンラインイベントで、当局の景気刺激プログラムでは世界経済が見舞われている問題は解決できないと指摘、「非常に潤沢な」流動性が提供され、米経済の問題を解決する上で刺激策の規模は十分大きいと考えている
さらに、新型コロナウイルスによる影響は長期にわたって続く公算が大きく、経営破綻が相次ぐとの見通しも示した。
「自分の見方が間違っていると願うが、V字回復は空想」と言い切っています。
著名人の意見を集約すると世界経済はU字かW字回復の可能性
著名人の意見を集合するとどうやら、今回のコロナ危機の経済回復はV字ではなくU字あるいはW字回復の形をとる可能性が高いのかもしれません。
一方、株価は、FRBなどの先進国中央銀行のドルの思い切った流動性の供給で、3月の安値を切るような壊滅的な下げはなくなりました。
2-3月の大暴落のミニマム50%は戻していますし、ナスダックやマザーズにいたっては80%以上も戻しており、このまま今年の高値を超えるようなバブル高が発生する可能性すら出てきています。
その後もどんどん上昇する?
なんてことはワクチンでもできない限りあるはずがありません。
株価はW字かもしれません。
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