ロシア危機(LTCM危機)とは?原因と株価や為替への影響をわかりやすく解説

ロシア危機2

グローバル社会が発展している現在、一つの国で異変が起きると世界中に一気に連鎖することがあります。

歴史的に見ても実際に何度も起きていることで、その中のひとつに今回紹介するロシア危機があります。

今回はロシア危機とはどういうものだったかということを詳しく説明しますので、歴史的な経緯から事例について学んでみてくださいね。

ロシア危機とはどのようなものだったか?

金融危機

そもそもロシア危機とは何だったのかについてまずは紹介します。

当時世界中で金融危機が起きて、ロシアにも波及したことがわかりますよ。

世界的デフレの中での財政悪化

ロシア危機が起きた1998年、世界的にデフレが発生していました。

全般的に物価が下落したことによって、ロシアの財政は極度に悪化していました。

これは当時のロシアの経済システムに起因しています。

ロシアは当時、天然資源頼りの貿易を行っていました。

ロシアには石油や天然ガス、金属、木材が豊富にあります。

これら天然資源がロシアの輸出の80%を占めていたほどです。

さらに原油価格が下落したことも痛く、原油価格が下落している状態では原油を輸出しても税収が減少してしまいます。

このような複合的な要因で、ロシアの財政は極度に悪化している状態だったのです。

アジア通貨危機が直撃

さらにこの時期、アジア通貨危機が起きました。

アジア通貨危機とは、1997年にタイを中心に発生した、アジア各国の通貨の急落であり、東アジアや東南アジアの経済に大きな影響を及ぼした危機です。

アジア通貨危機の影響はアジアにとどまらず、世界中の景気後退を招きます。

その結果、輸出品の価格が全般的に下落したのです。

そこに来て世界中の投資家が身の安全を守ろうという動きが顕著になりました。

結果的に、ロシア関連株はハイリスク、ハイリターンの傾向が見られました。

リスキーなロシア株で短期間で儲けるよりは、安全な米国債などに資金を動かしたのです。

政治危機に波及

ロシアの財政が悪化、ロシアから資金がどんどん引き上げられるようになって、ロシア国民の経済状況がひっ迫しました。

経済的に困窮した炭鉱労働者が、賃上げ要求するために以下のような行動を起こしました。

  1. シベリア鉄道の封鎖
  2. エリツィン大統領(当時)らの辞任要求

 

エリツィン大統領はこのような状況に対して、当時首相だったチェルノムイルジンなど閣僚を罷免します。

そして首相代行としてキリエンコを指名しましたが、キリエンコは当時35歳で若く実績もなかったことから議会は2度も拒絶します。

一方エリツィンも議会の解散をちらつかせることで政治的な緊張が高まってきたのです。

対策をしても資金流出が収まらず

キリエンコの指名を巡って大統領と議会の対立が激化しましたが、議会は最終的にキリエンコを承認しました。

キリエンコは就任早々、数々の大胆な政策を打ち出します。

例えば150%の超高金利政策もその中のひとつです。

投資家を引き付けて資本の流出を止める、国債を消化させるのが目的でした。

しかし、なかなかこれらの政策は功を奏しませんでした。

アジア通貨危機があったため、投資家が目先の利益ではなく安定的な金融資産に資金を投入する志向が強まっていたからです。

さらに原油価格は相変わらず低迷していたこともあって、財政改善の兆しがなかなか見えませんでした。

結果的に、ロシア危機の影響は株価や為替相場に多大な影響を与え続けることになります。

ロシア危機が与えた影響とは?

ロシア危機

ロシア危機がどのように起きたのかについてわかったところで、続いては具体的にどのような影響があったかについてみていきます。

ロシア国内だけでなく、世界中に大きな影響を及ぼしたことがわかりますよ。

LTCMの破綻

ロシア危機の影響の最たるものは、LTCMの破綻でしょう。

LTCMとは、ロングタームキャピタルマネジメント(Long-Term Capital Management)の頭文字をとったものであり、アメリカの有力なヘッジファンドでした。

LTCMは、当初高度な金融工学理論を駆使して、好成績を収めました。

ところがロシア危機では誤った判断をしてしまい、それが致命傷になります。

ロシア関連の株は下落しても一時的と判断したからです。

しばらくすれば元に戻ると考え、ポジションをとってしまいました。

しかしアジアの通貨危機とロシアの財政危機を経験している投資家は、ハイリスクのロシア市場には戻ってきませんでした。

LTCMは中南米の株も同じ理由でポジションをとっていたのですが、こちらも下落も止まりません。

結果的に損失が雪だるま式に膨らんで、破綻に追い込まれてしまいました。

LTCMスタイルの崩壊

ロシア危機が発生するまでは、LTCMの運用スタイルは成功していました。

年利40%前後の好成績を上げていたからです。

世界中の多くのファンドが同じ手法をとっていました。

ということはLTCM同様、これらのファンドも窮地に陥ってしまいます。

しかもこのようなヘッジファンドは、世界中の金融機関と100兆円単位の金融取引契約を交わしていました。

これらが破綻すると、世界的な恐慌も起こりかねない状況になりましたが、海外では短期金利を急速に引き下げることで乗り切りました。

ロシア危機当時の各国の短期金利については、以下を参照してみてください。

 

日本ではゼロ金利政策を長年行っていたのは記録に新しいところでしょう。

このゼロ金利政策のきっかけになったのが、ロシア危機に端を発するLTCM危機だったのです。

株式や債券相場の急落

ロシア危機からLTCM危機に波及したことで、金融危機が世界中に広がる憶測が広がりました。

その結果、例えばダウ平均は1998年の7月時点の高値から19.3%、日経平均も1997年3月の高値から25.4%も下落しました。

こちらは当時のダウ平均株価のチャートで、ロシア危機の時期における下落が目立ちます。

同時期の日経平均株価のチャートでも、似たような値動きを示しています。ロシア危機の世界経済に対する影響がうかがえるでしょう。

株式を売った投資家は、今度は債券買いに走ります。

その結果、米国市場の長期金利は「逆イールド状態」と呼ばれる長短金利逆転現象が起こってしまったのです。

さらに、為替にも大きな影響がありました。

その中でも顕著だったのは、ドルの一時的な急落です。

ドル円の為替レートを見てみると、1998年には1ドル147円台にまで円安局面に振れていました。

しかしロシア危機が表面化した後には、数か月で1ドル108円台にまで一気に円高になりました。

このようにロシア危機は、株・為替に大きな影響をもたらすことになったのです。

まとめ

まとめ

ロシア危機によって、資金の大きな動きが見られました。

また当時同じような時期にアジア通貨危機が起きたことで、世界的な形式失速を懸念する動きが見られました。

これは2020年に起きたコロナショックにも酷似しています。

中国で発生した新型コロナウイルスは世界中に一気に広がり、特に欧米では感染者数、死者も急激に増え続けています。

さらに世界中で外出自粛の動きが広まり、世界全体の経済が止まりつつある状況です。

1国の危機でもこれだけの影響がある中で、コロナショックのように世界全体の危機的な状況が続いていることは、経済への多大なる影響については避けられないものと言えるでしょう。

コロナショックによって、株価のさらなる急激な下落などが今後起きる可能性も大いに考えられることですね。

コロナの爆発的な感染を抑止するだけでなく、経済の問題をどうフォローするか、各国政府の腕の見せ所と言えます。

 

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