中国企業が米国で上場廃止に!新法案可決!

アメリカ法案

5月20日に「外国企業説明責任法」という法案が米国の上院を通過しました。

5月21日の日経新聞によると、この法案は「2019年に共和党と民主党の議員が超党派で提出したもので、20日に全会一致で可決した。下院が可決しトランプ大統領が署名すれば成立する。」ということなのですが、最近の米国議会では中国案件では超党派の案件が多くなってきたように感じます。

したがって、法案可決時の反対者はゼロか、いても数人程度です。

米国人の強い意思が感じられます。

 

外国政府の支配下にないことを証明するよう求めるほか、米規制当局による会計監査状況の検査を義務付ける。

3年間、検査を拒否した場合は上場廃止となる。法案は名指しはしていないものの、事実上、中国を念頭に置いたものだ。

提案者の1人、民主党のクリス・ヴァン・ホレン上院議員は声明で「中国企業は長年、米国の開示ルールを無視し、投資家を誤解させる情報を出してきた」と批判した。

法案によると、米国に上場する外国企業は政府の支配下にないことを証明しなければならない。

米株式市場には電子商取引(EC)大手のアリババ集団やインターネット検索最大手の百度(バイドゥ)、中国のネットサービス大手、騰訊控股(テンセント)系の音楽配信サービス会社など中国の有力民間企業が多数上場する。

こうした企業は中国・共産党の影響下にないことを米証券取引委員会(SEC)に説明する必要がある。

ということのようです。

 

さらに、

米国では上場企業会計監査委員会(PCAOB)が上場企業の会計監査を担当する監査法人を定期的に調べ、財務諸表の質を担保している。

米国に上場する企業がPCAOBによる監査状況の点検を3年連続で拒んだ場合、株式の売買は禁止となる。

米当局の要請にもかかわらず、中国政府が長らく自国監査法人の監査を拒否してきた経緯がある。

とも伝えられています。

 

米国に上場しているのに、米国の会計検査を受けていないことが驚きですが、中国を豊かにすれば民主化されるだろうと米国の政治家たちが、中国に対して特例を認めてきた故と思われます。

中国は豊かになったけれど民主化されることもなく、むしろ中国共産党は米国の地位すら脅かすようになってきて、米国は対中強硬路線で進むことを決めたのでした。

 

ブルンバーグによると、現在、米国に上場されている224社の外国企業が当局(PCAOB)の監査を受けていないようですが、そのうち95%は中国系で、残りはベルギー社のようです。

こうやって、多くの中国系企業がドル資金を米国から集めてきたわけです。

 

その点でも米国の年金基金などはこれまで多くの中国企業に投資してきたようですが、これからは公的基金は中国企業に投資することは禁止されるとか。

締め付けを厳しくしており、米国の対中強硬路線は至るところに適用されようとしています。

 

ロイターによると、5月21日、百度(バイドゥ)は企業価値を高めるため中国に近い株式市場に上場先を変更し、ナスダックから撤退することを検討している、としています。

米国の会計監査を受けたら本当の株主が誰なのかわかってしまうので、それをどうも知られたくないということなのしれませんね。

 

この法案が上院を通ったために、ナスダックの百度(バイドゥ)株やNYSEのアリババ株は急落しています。

アリババが上場廃止なんてことになると、ソフトバンクにとっては一大事です。

ソフトバンクグループはアリババ株をもっているので、昨年度の1兆円の損失を計上してもびくともしないものの、アリババの株価が急落でもすると様子は完ぺきに変わってきてしまうからです。

 

もっとも、アリババはこの種の法律が施行されるのを予期していたのか、香港での上場をすでに済ませました。

 

4月にナスダックから上場廃止を通告された会社に中国コーヒーチェーン大手「ラッキンコーヒー(Luckin Coffee、瑞幸珈琲)」があります。

4月2日、プレスリリースを発表し、2019年の売上高を改ざんしたなどの不正行為があったと認め、同社の米国預託証券(ADR)は一時、前日比81%安となりました。

 

その発表によると、同社の劉剣・最高執行責任者(COO)と複数の社員が、2019年4~12月までの売上高を約22億元(約336億円)過大報告した模様です。

一部の経費と費用も水増しされたといいます。

不服申し立てが成立しなければ上場廃止が確定となりますが、この会社は中国国内で、スタバを駆逐すべく安売りし、ありもしない利益、それも336憶円とすごい金額を計上していたそうです。

 

こうした、中国企業の情報開示、健全化を求めて米国の対中強硬政策には拍車がかかってきています。

 

対中強硬策としてはもっと厳しい対策が、セキュリティにからむ問題です。

米国にはECRA(Export Control Reform Act、輸出管理改正法案)があり、米国のノウハウが10%以上含まれたハイテク技術や製品をファーウェイなどの中国企業に輸出してはならないとされています。

また、第3国経由の輸出も禁じています。

従って、日本なども例外ではありませんので、今後は中国との付き合い方も考えねばならなくなるでしょう。

この法律にはハイテク製品の輸出に限られたものではなく、中国共産党がバックにいる社員や留学生にノウハウを提供することも対象になっていますので、中国人を雇用するのにも制限がかかってきそうです。

中国人の滞在ビザの期間の短縮もこの法律にのっとった処置のようです。

 

これらに違反した会社はエンティティリスト(ブラックリスト)に載せられて、米ドル使用の貿易などもできなくなるようなことになるようです。

米中の冷戦はすでに始まっています。

著者プロフィール

memo
ウィンインベストジャパン( https://win-invest.co.jp/ ) 齊藤トモラニ 老舗FXスクール代表。
FX会社主催のセミナー講師としても活躍する。
著書に『簡単サインで「安全地帯」を狙うFXデイトレード』
ロンドンfxの松崎美子さんと一緒にYouTube「fxの流儀」を配信中

 

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