FXで成功する秘訣のひとつは「失敗の理由を知り対策を学ぶこと」です。
FX取引で損失が出たときには必ず理由があります。
損失が出た原因を分析することで、正しい取引方法を学べます。
今回の記事では、FX取引の失敗例からどのような対策を取るべきかについてまとめました。
また、FXで失敗しないためのポイントについても紹介しています。
FX取引をされている方は、ぜひこの記事を役立ててくださいね。
Contents
失敗の理由を知る
今回は2008年9月に起きた「リーマン・ショック」による急激な為替変動における失敗例を3つ紹介します。
筆者は、2007年の時期からFXを開始しました。
2007年はFX投資が国内で流行り始めた時期でもあります。
当時は世界経済が好調で、ほとんどの通貨ペアで円安の流れになっていました。
そのため、FXに詳しくない初心者でも円の通貨ペアを使ってロングで取引をすれば、簡単に利益を出せる状態でした。
しかし、そのような状況はサブプライムローン問題から発展したリーマン・ショックによって一変します。
慣れていないうちからポンド円に手を出して失敗
リーマン・ショックとは、アメリカの投資銀行「リーマン・ブラザーズ・ホールディングス」が経営破綻したことによる世界規模の金融危機期のことです。
経営破綻による信用バブルの崩壊で、それまでのリスクオンの取引から一転してリスクオフの取引へと切り替わりました。
その結果、安全資産のひとつである日本円が買われて急激な円高へとレートが動きました。
為替レートが大きく動きやすい通貨ペアのひとつとして、「ポンド円」があります。
ドル円とは異なり、1円以上の値動きも頻繁にある通貨ペアですが、リーマン・ショックのときにはチャートが大きく動きました。
リーマン・ショック前の9月の1週目では、1ポンド200円以上の値をつけていたポンド円でしたが、リーマン・ショック後の10月中旬には1ポンド130円付近にまで下落しました。
わずか1カ月の出来事の間に、中長期運用として保有していたポンド円はすべてロスカットされたため合計で40万円の損切りとなってしまったのです。
感覚や思い込みだけで取引をして失敗
リーマン・ショックによって急激な円高に動きましたが、10月下旬には底を打ちます。
一時的にではあるものの、急激な円安へと動き始めるのです。
FXのトレーダーならすぐに判断できることですが、為替は一度反発した後に再び下落することがあります。
しかし、FX初心者の場合、反発を始めると「リーマンショック前までチャートを戻すだろう」という感覚や思い込みだけで取引をしてしまいます。
このケースでも、為替レートが円安に動き始めたころにユーロ円のロングで取引したものの、再びショートに反転したため1週間の期間で20万円のロスカットという結果になってしまいました。
資金管理ができずに失敗
人間の心理として、1度大きな損失を出すとなるべく早く取り返そうという気持ちが強くなります。
その結果、建玉数を増やしたり損失を防ぐために損切り注文をせずに取引をしたりします。
また、チャートが小さく動いているときでも「チャンスを見逃したくない」という心理が強まり、根拠のない取引注文を頻繁に入れてしまいます。
リーマン・ショック前に1ドル100~110円で推移していたドル円は、リーマン・ショック後には1ドル90円前後落ち着きました。
失った60万円を取り戻そうという心理状態のために、建玉数を20枚まで増やし、レバレッジを20倍にまで上げた状態で、損切り注文をせずに「勝負」をしてしまいました。
その結果、わずかな為替レートの変動にも耐えることができず、最終的には取引から1週間後に訪れたロスカットにより40万円を溶かすという結果となってしまったのです。
失敗した経験から学んだ3つの対策
このような経験をしたときには、非常に気持ちが落ち込んでしまいますよね。
しかし、高い授業料として学習する必要があります。
上記の出来事から学んだ点を3つ紹介します。
- 取引通貨ペアを慎重に選ぶ
- テクニカル分析をする
- 損切り注文を入れておく
取引通貨ペアを慎重に選ぶ
1つ目の反省点は、取引ペアの選択です。
ポンド円は価格変動率が高い通貨です。
相場が読みづらく、急激な変動が起こりやすい通貨のひとつで、実際に筆者も40万円のロスカットに陥りました。
FX投資において取引通貨ペアを選ぶことは重要です。
世界には、200以上の通貨が存在していますが、FXではそのうちの20ほどの通貨で取引が可能であり、中でもFX投資でおすすめの通貨はドル円です。
理由として、米ドルは世界の基軸通貨であり、流動性が高いことが挙げられます。
国際決済銀行(BIS)の調査によると、2019年のベース通貨別為替取引量のシェアの割合は以下のとおりです。
通貨 | 取引量シェア(%) |
米ドル | 88.3 |
ユーロ | 32.3 |
日本円 | 16.8 |
新興国通貨 | 24.5 |
上記の表からもわかるように、米ドルの流通量はほかの通貨と比較しても多くの取引量があります。
流通量の多い通貨は、相場変動が緩やかです。そのため急な円高ドル安や円安ドル高にも対応できます。
加えて、米ドルの相場はほかの通貨と比較して予想しやすいというメリットがあります。
世界情勢が安定しているときにはドルが買われやすく、世界情勢が悪化しているときにはドルを売って金を買う傾向です。
そのため、金相場を見ることでドル相場を読み取ることができという特徴があります。
初心者がFX投資を始める際には、ドル円での取引をしましょう。
テクニカル分析をする
2つ目の反省点は、取引のタイミングです。
「ここまで下がったのだから上がるだろう」という感覚だけで取引したことにより、20万円の資金を溶かしました。
FX投資を行うときには自分の直感で取引するのではなく、あらかじめ分析をしましょう。
さまざまな情報を入手してから分析することで、将来のチャートを予想できます。
初心者におすすめの分析方法は、テクニカル分析です。
テクニカル分析とは、過去の為替チャートの動きをグラフ化して、どのようにチャートが変動するのかを予想するものです。
おもなテクニカル分析として、一定の期間の移動をグラフ化にする「移動平均線」やグラフ化した短期と中長期の移動平均線を組み合わせる「MACD」などがあります。
テクニカル分析を使用することで、戦略的な取引ができます。
損切り注文を入れておく
3つ目の反省点は損切りを拒否したことです。
1円も失いたくないという気持ちから、損切り注文を入れておかなかったため、最終的に20万円のロスカットに陥りました。
FX投資においては資金管理が重要です。大きい損失を出さないようにコントロールすることで、安定した投資を続けられます。
投資では予想とは反対の方向に相場が動くことがあります。損切り注文を入れておくことで、損失を最小限に抑えましょう。
取引で失敗しないために
最後にFX取引で失敗しないための2つのポイントを紹介します。
- 適切な資金管理を行う
- トータルで負けない取引をする
適切な資金管理を行う
FXにおける適切な資金管理とは、取引の前に利益の確定額と損失額を決めておくことです。
1回の取引における損失額をについて、連続で損失を出しても口座の資産に大きな影響がないように金額に設定しておきましょう。
おすすめの設定は、1回の取引に対して最大2%以内の損失額です。
2%で設定しておくと、仮に10回連続で損失を出したとしても、最初の資金の80%を残すことができます。
トータルで負けない取引をする
FX取引では1回の取引ではなく、トータルの取引で負けないようにしましょう。
FX投資をする人の中には、1回のトレードの失敗で心が乱されてしまう人がいます。
負けたままでいたくないという焦る気持ちがさらなるトレードの失敗につながります。
そのためFX投資は勝ったり負けたりするものであると理解しておきましょう。
1ヶ月のトータルで勝つことを目指しましょう。
まとめ
この記事では、以下のポイントについて紹介しました。
- ・取引ペアを選ぶときには米ドルなどの流動性の高いものを選ぶ
- ・感覚ではなく分析をしてから取引をする
- ・損切り注文をすることで目先の利益にとらわれないようにする
FX投資をする際には、ぜひ筆者の失敗を反面教師にして、慎重な取引を行ってください。
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