金は買いなのか?有事の金・インフレヘッジの金が同時到来!

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金は買いなのか?有事の金・インフレヘッジの金が同時到来!

金が1オンス当たり1,700ドル台、日本では1グラム当たり6,500円を超えて上昇してきています。

ちなみに1オンスは31.103グラムです。

1971年までは世界の通貨は金に裏打ちされていて、1オンスの金は35ドルと固定されていました

当時のニクソン米国大統領が、突如金とドルの固定レートを外すと爆弾発言(これをニクソンショックといいます)して以来、米国のドルは金ベースではなく米国政府の信用という目に見えないものをベースにした通貨となりました。

それを機に金価格はドルと変動することとなり、暴騰、暴落を経験しながら今に至っています。

 

金価格は今はどうやって決められるのでしょうか?金にはいろいろな顔があります。

そのなかの有名な顔が有事の金インフレヘッジの金です。

 

伝統的には金はよくインフレに対する良いヘッジとして理解されています。

金が上昇している場合、市場がこれから来る「インフレを嗅ぎ分け」ていると言えるかもしれません。

1970年代の中東石油戦争をきっかけとした西欧での高インフレ時に金価格は暴騰しています。

また2,000年から起こったITバブルの時も金価格は上昇してきたことで、それが証明されます。

 

その金の価格は新型コロナ以来だいぶ上昇していて、1トロイオンスあたり1,700ドル強まで買われています。

4月22日のブルームバーグは、

バンク・オブ・アメリカ(BofA)は向こう18カ月間の金相場の目標価格をオンス当たり3000ドル

に引き上げた。新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた経済を支援するため、世界各国の政策当局者が財政や金融政策

を通じて巨額の刺激策を投入していることが理由。

と伝えています。

 

BofAは「FRBは金を造幣できない」と題したリポートを発表し、「経済生産が急激に落ち込み、財政出動が急増、さらに中央銀行のバランスシートが倍増する中、不換通貨への圧力が高まる可能性がある」と指摘、「投資家は金を狙うだろう」と予想した。これは現在の最高値を50%余り上回る水準。

 

つまり、FRBがドル紙幣を無制限に刷っているので、出回るキャッシュの量が増えるのでインフレが来るという理屈です。

FRBはキャッシュは作れるが、金は造幣できません。

金は穴を掘って探すしかないのです。

そんな金の供給量のも問題があります。

これまで人類が採掘してきた金の総量は18万トン、それはオリンピックプール4杯分弱に過ぎません。

そして、現在の金の可採埋蔵量(掘れる見込みのある潜在量)は5万トンのみ。

現在、年に3,000トン程掘っていますので、あとたった17年でもう枯渇してしまいます。

金の供給量には限界が間近に迫ってきているということになります。

 

もっとも、原油と比較するのは間違っているかもしれませんが、原油も可採埋蔵量は30年分と長い間言われてきましたが、採掘技術が飛躍的に伸びてシェールオイルなども取れるようになったので、今では埋蔵量は急激に伸びて数千年分あると言う専門家の人もいます。

 

インフレかどうかという議論では現在は世界中の金利が低く超低金利状態です。

金の弱点の一つに金利が付かないということがありますが、その点では通貨も金も同じ土俵に立っているといえます。

FRBの無制限量的緩和が続く限り、通貨の金利はすぐには上がりそうもありません。

ただし、「インフレを嗅ぎ分ける」金という点では近い将来悪いインフレが来る可能性は極めて高いと思われます。

 

金はドルと逆相関関係にあるといわれています。

つまり、ドルが強くなると金は売られる傾向があり、ドルが売られると金価格が上がって来ます。

 

ただ、それは金も含めてほとんどのコモディティがドル建てで取引されているという事実と無関係ではありません。

例えばニューヨークの商品取引所で上場されている金は1オンス当たり何ドルという価格設定になっているからです。

 

一方、金(ゴールド)は有事の金といわれる時があります。

有事に買われる代表的なものに、通貨であればドル、円、スイスフラン、それ以外のものでは金とビットコインなどの仮想通貨があります。

現在はパンデミックという有事ですが、2月から3月にかけて世界的に株価が大暴落しました。

その時には、ドルと円という通貨ペアに資金が集まり、金やビットコインは換金売りで暴落しました。が、株価の回復と同時にゴールド(金)とビットコインに資金が集まりつつあります。

 

金価格は株価と反比例関係にあるといわれています。

経済が好調の場合、歴史的にみて株価の上昇率のほうが金の上昇率よりも高いので、金利を生まない金を売って株にお金が流れるのが常でした。

その点では、現在は株価は3月の底打ちから回復しつつあります。

といっても例外的には、米国のハイテク株がたくさん含まれているナスダック指数は今年の高値(史上最高値)の至近距離まで上昇してきているものや、日本のマザーズ指数(高い成長可能性を有する成長企業向けの新興市場株)はすでに今年の高値は超えているものもあります。

 

金も1,700ドル台という高いレベルで推移していますので、おそらくどちらかの上昇は本物ではないと言えるでしょう。

答えを言ってしまえば、株価の上昇はFRB(米国連邦準備銀行)が新型コロナで信用収縮が起こらないように、無制限にお金を刷っているので、株価は実体経済とかけ離れたバブルであることは疑う余地はありません。その点ではインフレヘッジの金ということによる上昇なのかもしれません。

 

新型コロナは欧米や日本では落ち着きを取り戻し、現時点では中南米で猛威を振るい始めています。

欧米、日本では外出自粛が解除され経済活動が少しずつ再開され始めています。

しかし、第2波の可能性も出てきています。

世界経済は、V字回復ではなく、U字かL字回復の可能性が大ですが、その本物の回復が起これば金は下がる可能性大ですが、そのタイミングが来るまではまだまだ年単位の時間がかかりそうです。

逆に早くも人類は新型コロナと共存することに成功するというベストシナリオも描けないことなないでしょうが、あまり現実的ではなさそうです。

 

従って、有事の金、インフレヘッジの金が一緒にやってきているというのが現状で、それはもうしばらく続くのかもしれません。

著者プロフィール

memo
ウィンインベストジャパン( https://win-invest.co.jp/ ) 齊藤トモラニ 老舗FXスクール代表。
FX会社主催のセミナー講師としても活躍する。
著書に『簡単サインで「安全地帯」を狙うFXデイトレード』
ロンドンfxの松崎美子さんと一緒にYouTube「fxの流儀」を配信中
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