デジタル人民元発行の中国の目的とは?

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デジタル人民元発行の中国の目的とは?

毎日午前10時15分(日本時間)に中国人民銀行がその日の人民元の基準値を発表します。

この基準値は前日比2%以内の変動しか認められていない管理相場ですが、為替の2%は大きいので、予想外の数値が発表されると、それによって市場が大きく動く場合もあります。

ただし、オフショア人民元にはそういう規制はありません。

 

東海東京証券の説明によれば、次のとおりです。

「オフショア人民元とは香港に設立された海外投資家向けの人民元市場で、中国政府が正式に認めた市場です。

オフショアとは国内の市場とは別に、規制が少なく税率も低い国や地域の国際金融市場で資金調達や運用を行うことです。

中国人民元の場合、2009年までは中国国内でのみ人民元決済が行われていましたが、オフショアの人民元決済が香港を中心に段階的に認められ、現在ではオンショア人民元市場とオフショア人民元市場が混在する形となっています。」

取引されているのは同じ人民元で変わりはありませんが、オフショア取引に参加している金融機関は、基本的にオンショア市場にはアクセスできません

また、オンショア市場に関わる金融機関も同様に(基本的には)オフショア市場にアクセス不可となっています。

 

日本は1971年のニクソンショック(金本位制をストップ)までは1ドル=360円と固定されていましたが、その後自由に変動する変動相場制となり今に至っています。

国際的な信用がすでに出来上がって来ていた証拠です。

その点では人民元はまだ、国際的な信用がなく、規制のない変動相場には至っていません。

というのは、人民元は中国政府の信用をベースに価値が決まっているということではなく、ドル本位制になっているからです。

ドル本位制というのはあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、ニクソンショック以前は、ドルは金本位制でした。

手持ちの金とドルレートは固定されていて、手持ちの金の量に連動させてドルを発行していました。

 

人民元のドル本位制については、元産経新聞の田村秀男氏がIRONNAというネットの意見公開誌で、かなりわかり易く解説しています。

「人民銀行は自らが決める交換レートで貿易、投資などで流入する外貨を原則として金融機関から全面的に買い取り、人民元を発行する、というのが中国特有の通貨・金融制度である。 つまり、人民元は「ドル本位制」であり、人民元は円、ユーロなど自由変動する先進国通貨と違って、基軸通貨ドルに対してほぼ固定されている。」

とあります。

 

つまり、貿易で稼いでいるドルの量に従って人民元の量を決めているということになります。

中国は巨大な貿易立国ですから、人民元安が輸出に有利なので、完全なフロート制にした場合、経常黒字国としての中国の人民元が切り上がると輸出競争力が失われてしまうので、稼ぐドルが大幅に減ることになってしまいます。

それが管理為替政策をとっている理由の一つです。

中国は人民元改革で人民元を2005年7月より管理フロート制(管理変動相場制)へ移行し、同時に通貨バスケット制を導入しました

 

中国としては、米国を追い越すためにどうしても必要なことは人民元の基軸通貨化です。

ドルが基軸通貨であるかぎり、すべての為替取引はSWIFTシステムから逃れることができず、現在の北朝鮮やイランのようにドル取引が制限されていては、野望達成とはなりません。

そこまでの道のりはまだ遠いといわざるを得ませんが、まず中国が進めているのが人民元の国際化促進です。

そのために「デジタル人民元」の発行を進めているようです。

6月3日デジタル人民元が中国で実験開始された、とテレビ東京で報道されました。

 

ところで、余談になりますが、ウィキペディアによると、次のようにあります。

「中華人民共和国では、2014年現在でも100元、50元、20元、10元、5元の紙幣と1元のコインで偽札・偽硬貨が、相当数流通しているが、ほとんどが最高額紙幣である100元紙幣の偽札である。

100元紙幣を渡したときは、受け取り側は、念入りに見て透かしなどを確認したり、手で擦ってインクが滲まないか、凹凸があるか、紙幣番号を確認する。

そのため銀行のみならず、両替商や飲食店にも紙幣識別機を常備している。」

中国が「デジタル人民元」の発行を進めている理由の一つが偽札対策と思われます。

 

さて本命である人民元の基軸通貨化という目的達成のための重要なステップと考えられるのはSWIFTシステムからの脱却です。

このシステムで海外送金がドルで行われる限り、米国の判断次第では突然ドルが使えなくなるリスクが出てきてしまいます。

ドル通貨が基軸通貨であり続ける限り、SWIFTを使ったすべてのドルの動きは米国政府に捉まえられてしまっているからです。

最近香港で起こった「国家安全法」の適用で、香港は一国一制度の中に組み込まれることになりましたが、米議会は、香港の自由弾圧に関わる企業と「重大な取引」をする銀行に罰則を科す法律の成立を目指しているという報道があります。

成立した場合、これらの銀行は外為取引や米国民または米銀との取引ができなくなり、米国の金融システムから事実上切り離されかねないことになります。

 

人民元の信用問題は最後まで残る課題ですが、デジタル化による送金の手軽さが可能になれば、ビットコインなどの仮想通貨同様現在の海外送金時に使われているSWIFTの欠点を解決することが可能です。

SWIFTの欠点とはどんなことでしょうか?

 

SWIFTに関してググる、と次のような解説が出てきます。

「暗号通貨∞法定通貨のハイブリッド金融Labo」というサイトに次のような解説が載っていました。

比較的わかりやすいので、抜粋部分を掲載させていただきます。

「「SWIFT」とは、”Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication”の略称で、日本では国際銀行間通信協会と呼ばれており、世界各国の金融機関の送金に関するメッセージの通信サービスを提供するとあります。

国内送金をする場合、中央銀行の日銀を介して送金が行われているのですが、実は実際にお金の移動があるわけではなく、例えば、佐藤さんが鈴木さんに100万円送金する手続きをした場合、中央銀行の日銀へ「佐藤さんの銀行口座から鈴木さんの銀行口座へ100万円送金」というメッセージが送られます。

その後、日銀が佐藤さんの銀行口座から鈴木さんの銀行口座へ資金の移動を行うのです。

しかし、国際送金の場合、国内でいう日銀の役割を果たす中央銀行が存在しません。

そのため国際送金では、金融機関同士で資金を移動させる必要があります。

銀行間で契約を結び、お互いの口座を開設した”コルレス銀行”と呼ばれる、決済代行銀行を経由して資金の移動が行われます。」

 

この方法では当該銀行以外にコルレス銀行にも支払う手数料がかかること、また、複数の銀行がからむので、送金完了するには2~3日の時間が必要になるとのことで、費用と時間がかかりすぎるという欠陥が指摘されています。

その点ではブロックチェーンを活用した仮想通貨を用いる方法や現在開発中のデジタル人民元やフェイスブックのリブラなどのデジタル通貨を使用すればSWIFTの欠点をカバーすることができます。

 

ただし、デジタル通貨にも欠点があります。

マネーロンダリングがされやすい点、またデジタル人民元はやはり人民元の信用力の問題に収斂(しゅうれん)されます。

また、政治的には、SWIFTによる送金が減るために既得権益者の米国の反対は目に見えています。

それを知って中国はデジタル人民元をスタートさせたということです。

 

さて、ようやく勉強会がスタートしたばかりのデジタル円ですが、円はすでに国際信用力がある通貨ですし、円のデジタル化のメリットは計り知れません。

デジタル円の送金システムに期待したいと思います。

著者プロフィール

memo
ウィンインベストジャパン( https://win-invest.co.jp/ ) 齊藤トモラニ 老舗FXスクール代表。 FX会社主催のセミナー講師としても活躍する。
著書に『簡単サインで「安全地帯」を狙うFXデイトレード』
ロンドンfxの松崎美子さんと一緒にYouTube「fxの流儀」を配信中

 

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